こだわりは色と柄!老舗着物屋「三松」の浴衣で夏のお出かけ準備

間もなく夏がやってきます! 夏のお出かけ計画を立てている方も多いのではないでしょうか? 吉祥寺では多くのお祭りが開催予定です。週きちも夏のイベント情報をたくさんお届けしますのでチェックしてみてくださいね♪

さてさて、お出かけが決まるのと同時に準備をしておきたいのはズバリ着るもの! 今回は夏のお出かけにぜひ着てほしい、三松の浴衣をご紹介します。

三松の本店は吉祥寺

三松は東京発祥の着物ブランド。創業は93年目、吉祥寺本店は2024年の9月に73周年を迎えます。ダイヤ街商店街のウエストゾーンに路面店を構え、貫禄がありながらも広く明るい雰囲気が目を引きます。

中に入ると左手に2階へ続く階段があります。

階段を登りきると、正面に着物が飾られ上品な雰囲気。

キリっとした空間ですが、たくさんの振り袖が並ぶ光景には思わず「わぁー♡」っと声が漏れてしまいます。

三松は浴衣も販売をしていますが、もともとは着物屋さん。取り扱う浴衣も色やデザインや素材にとことんこだわっています。

三松のオリジナル柄浴衣。日本の伝統技術が光ります

三松吉祥寺本店で商品の説明や紹介をしてくださったのはエキスパートマネージャーの三瓶(みかめ)さん。「着るもの1つにこれだけたくさんの色が入っているのは世界中を探しても着物だけなんです。なので、日本人は色彩感覚が優れているとも言われているんですよ」と教えてくれました。和色のニュアンスを表現する技術はもちろん、色を選ぶ作業も繊細な作業だといいます。

世の中にたくさんの浴衣が溢れていますが、三松ならではの特徴を伺ってみると、「三松の浴衣は着物の型を使い、オリジナルの柄を作っています。他にはなかなかない柄と上質な織り方で品良く着ていただけるのが特徴です」と答えてくれました。

注染(ちゅうせん)と呼ばれる染色技法で染められた浴衣は裏側も表側と同じように発色しているので、裾がめくれて裏地が見えても目立ちません。

そして有松絞りの浴衣も! 有松絞りは、愛知県名古屋市の有松町・鳴海町地域でつくられる木綿絞りの総称。 布をくくって染める絞りで、さまざまな文様を描き出します。 軽やかで涼しい感触のため、主に浴衣地として愛用されており、有松町・鳴海町地域は全国一の絞り染め産地となっています。 1975年に「有松・鳴海絞」の名前で国の伝統的工芸品に指定されました。

絞る作業に耐えられる綿は最高級品とされており着物や浴衣にこだわりのある人は、絞りの浴衣を好むようになることが多いそうです。

いちご柄の絞りをいちごミルク色の帯と合わせても可愛い♡

時代と共に進化する浴衣の素材

老舗の着物屋さんというと、昔ながらの技法や素材選びを続けようという想いが強いのではと思っていましたが三松さんはそんなことはありませんでした。三瓶さんは「そもそも昔と気温が違いますからね、地球規模で気温が変化しているので、着るものだけ昔と同じというわけにはいかないと思っています。」なるほど確かに環境に合わせて浴衣も進化しているんですね!

「吸水性や速乾性に優れているセオアルファという新素材があるんです。シワにもなりにくいし型崩れもしにくい。旅先にも丸めて持っていけたり洗濯もおうちでできます。海外の方にも人気ですね」と、最新技術を取り入れた浴衣の在り方に、ついつい目を丸くしてしまいました!

新素材浴衣のプリントも隅々までこだわりが詰まっています。

プリントには見えない紫陽花の柄
柄の細かさが品を良く見せてくれます

取材時も暑かったので、スタッフさんも新素材浴衣を着ていましたよ!

ブドウの帯も可愛い♡
派手すぎない切子柄はどんな帯でも合わせやすそうです

男性の浴衣も豊富に取り揃えています。

波の柄と、筆で描いたようなカモメ柄。麻が使われている涼しい浴衣です。洗練されたデザインは年齢を問わずに着られそうですね。

ギフトにも嬉しい小物も充実!

着物や浴衣はもちろんですが、小物も充実しているのが三松さん。帯も他ではなかなか見ない個性的なものが揃っています。

リバーシブルの麻の帯は長く使える柄と色味

足元のアイテムにもこだわっています。雪駄(せった)や下駄の履き心地の良さに驚きます。

歩きやすいと評判の雪駄は浴衣を着ているタイミングだけではなくデニムに合わせたり普段履きにされている人も多いそう。

下駄にもひと工夫。デコボコをつけることで足が前にズレにくく、鼻緒が痛いと感じることも少ないそうです。お試しさせていただきましたが、安定感がありその履きやすさは下駄と思えないほど! ぜひみなさんにも履いてもらいたいです!

そして着物屋さんならではの帯留めも充実。浴衣に組み合わせることで、スタイリングが引き締まります。

そのほかにも扇子やバッグなどが豊富に取り揃えられていました。

普段あまり目にする機会がないアイテムに囲まれて、まるでギャラリーに来たような気分になる三松さんの店舗。目に正月とはこのことです!

スタイリングからメンテナンスやお直しまでお任せできる三松

吉祥寺やその周辺地域に住むお客さまが多いという三松吉祥寺本店。中にはメンテナンスをしながら親子3代で大切に着物を着られている方もいるそうです。

お稽古事で浴衣を着る方や歌舞伎や能の鑑賞に出かける方はもちろん同窓会やフォーマルな場所へのお出かけなど「どこに着ていっても自信を纏えるご提案をさせていただきます」と笑顔で話してくれた三瓶さん。「着物や浴衣は日本人を味わうための潜在意識を具現化するような存在」との言葉には、日本の伝統服へのリスペクトと愛が詰まっていました。

「着付けのハードルが…という方も、無料着付け教室を開催していますのでぜひご参加ください」とのこと。この夏は魅力がいっぱいの和装の世界に、ぜひ足を踏み入れてみてください。きっと自分にぴったりなお気に入りの逸品が見つかります♡