吉祥寺やぶ
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- 営業時間
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昼11:30〜15:00 夜18:00〜22:00
- 定休日
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日曜、月曜
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- 住所
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〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-10-15
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吉祥寺駅から末広通りに進み、弁天通りへ入っていくとシンプルで清潔感のある佇まいにウサギの暖簾(のれん)がかかっているお蕎麦屋さんがあります。なんと1923年(大正12年)から続く老舗の「やぶ」です。
「家族で楽しく食事をしてもらいたい」との思いから、お店のロゴは親子のウサギと家紋が組み合わされています。
今回「やぶ」を取材するきっかけになったのは、「大阪屋」の店主さんからの紹介でした。中学校の同級生である二人は共に創業100年の店舗を背負う地元の友人同士。吉祥寺の街文化を支えてきた方々です。
100年以上の歴史を持つ吉祥寺の酒屋「大阪屋」。こだわりのお酒が並ぶ店内はお酒好きの方にも初めてお酒を知る人にもオススメです! | 週刊きちじょうじ
去年2023年に100周年を迎えた大阪屋酒店。1923年創業の大阪屋は吉祥寺北町で日本酒、本格焼酎、ワインを中心に販売している酒屋です。 大阪屋は貫禄がありながらもモダンな雰囲気が漂う店構え。店の前を通る人の目を引きます... https://kj-weekly.jp/2024/05/28/osakaya/
「お店でも大阪屋のお酒を取り扱っています。沼くんのお店に仕入れに行くこともありますよ」と笑顔で話してくれたのは四代目店主の嶋田雅士さん。
今回は吉祥寺で100年続く老舗お蕎麦屋さんのこだわりと美味しさをご紹介します!
Index
Toggle吉祥寺にお店を構える前は新宿で「新宿やぶ」として営業していました。関東大震災をきっかけに吉祥寺に移転して営業を再開。二代目の時に「浅野屋」と統合し、それ以降は「やぶ浅」として営業していましたが、100年の節目を迎えたタイミングで原点に戻り、心機一転、地元に愛される蕎麦屋を目指そうと「吉祥寺やぶ」にリニューアルされました。
お店の中に入ると、スッキリと清潔感のある空間。ひとりでも家族でも入りやすい雰囲気です。子ども用椅子も用意されており、小さい子どもも落ち着いて過ごせそうです。
店内では、昔から使われていた電話たレジなども見ることができます。
明治から昭和40年頃まで実際に使われていた電話機。大正時代の年間基本使用料は年間45円(現在の18万円)。通話料は5分で15銭(現在の2,250円)程だったそう。
リニューアルした今でも創業当初と変わらないのは「だし」と「かえし」。代々引き継がれている蕎麦つゆでやぶの伝統を味わえます。
やぶでは、鰹節に鯖・宗田節を組み合わせただしが使われており、蕎麦店専用の醤油でつくったかえしを合わせほんのり甘めの上品な香りのつゆが完成しています。
一方で、四代目ならではのこだわりもつまっているやぶのお蕎麦。四代目は蕎麦粉を最上級のものに変更しました。「赤城深山産の蕎麦粉を仕入れています。ここの蕎麦粉を知ってしまったら他では仕入れられないと思うほど、惚れ込んでいます」と話してくれました。生産者さんへの信頼と尊敬の気持ちが伝わります。
調理する時のこだわりは「蕎麦粉を手捏ね手延べして、茹で時間を短くしています。蕎麦は茹で時間が長くなるほど香りと味が溶け出してしまうので、手捏ねしている時に水分量を調節して素早く茹で、みずみずしいお蕎麦にしています」とのこと。水分量が味の決め手になるんですね!
曽祖父の代から蕎麦屋を続けていく中で四代目ご自身が引き継ぐ決意をしたきっかけを聞いてみると「幼少期、祖父の蕎麦打ちとうどん打ちを間近で見ていてかっこいいなと思っていました。当時の問屋さんやお客さんに祖父が『うちの四代目だよ』と紹介してくれ嬉しかったのがきっかけですね。大人になってからは100年という歴史に価値を感じて決意しました」と笑顔で話してくれました。仕事の楽しさや大変さ、取引先との関わり方やお客さんの美味しいと喜ぶ顔など、それに向き合う家族の姿を長い間見続けてきたからこそ決断できた四代目です。
こだわりのお蕎麦をさまざまな味で楽しめるのもやぶの素敵ポイント!種類豊富なメニューの中で、従業員さんのイチオシメニューを聞いてみました!
やぶのアンバサダーキャラクターはなんとあの、蒼象神ザナ! 限定のザナメニューが登場することもあります!
【ザナ御膳】
一、ザナ蕎麦(茶切り蕎麦)
二、桜鯛と桜海老、春野菜の天ぷら
三、桜鯛の炊き込みご飯
四、岩手鴨の煮付けとポテトマカロニサラダ
五、チーズケーキとコーヒー
吉祥寺で大正12年から営業している蕎麦処です。赤城深山産の二八蕎麦や天ぷら、地酒各種取り揃えておりますので、是非お立ち寄りください。もし「ここでうまい蕎麦が食べられた」と思っていただけるのでしたら、蕎麦屋にとって最高に嬉しいことです。
つるんとした喉越しと香りの高いお蕎麦はファンになる方も多いのではないでしょうか。お蕎麦好きの方にも自信をもって紹介する「やぶ」。ぜひ期待して足を運んでみてくださいね。美味しいお蕎麦を食べたい気持ちが満たされます!
【写真=編集部撮影】
【写真提供=やぶ】
〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-10-15
1975年に創刊し、2022年3月で創刊47年を迎える週刊きちじょうじ。吉祥寺のおいしいグルメ、カルチャー、話題のトピック、ニュースがわかる、吉祥寺で暮らす人のためのタウン誌のオンライン版です。