きち散歩

きち散歩

吉祥寺のおいしいものと散歩が大好きなわたなべえりさんによるコラムです。えりさんのすてきなイラストと共にお楽しみください。

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おでん都さん

出汁割りの入ったカップ、今回の記事の内容をまとめたイラスト入りのノートがおでん都の店内を背景に写っている。

お出汁、日本酒、そしてお魚。

寒い、とっても寒い、あんまりにも寒い! 寒い時は、あったかくて、お出汁がきいてて、美味しいおでんが食べたくなっちゃいます。そんな時、父からおでんの美味しいお店が三鷹にあるときいて! 今日は父と母と待ち合わせして、いろんなものをいただくことに。ちょっと足を伸ばして三鷹に向かいます。 井の頭自然文化園の横の八丁通りをずーっと歩いて行って、線路の下をくぐって、さらに八丁通りを歩き続けると細い路地が。本当にここかなあ? と思いながら入るとすぐに「おでん」の提灯がお出迎え。今日のお目当て、おでん都さんです!

今日はお外席だけれど、半透明なカーテンで仕切られていて意外とあったかい。そしてお出汁のいい香り!わくわくが止まりません。 お出汁が美味しいと聞いていたのでまずは出汁割りをお願いして、ふむふむとメニューを読んでいるとお通しで出てきたのはおでん大根! おでん大根という種類の大根だそうで、お出汁をかけただけという説明をいただいてこれは出汁と素材を楽しむものだな?とお箸で切ってひとくち。柔らかジューシーでお出汁、大根それぞれの香りと味わいがそのまま味わえます。ふわっと香るお魚と昆布の香りがたまりません。出汁割りもひとくち、これはいくらでも飲めてしまいそう。

先についていた両親が頼んでいた、かわはぎの肝ポン酢もいただきます。ぷりぷりの刺身にあえられた肝がとっても濃くて甘くて、ポン酢がそれを引き立てます。そして次のお酒はおすすめという常山。すっきりしているのにお米が甘くて、これは何にでもあっちゃうお酒です。おでんが来る前に美味しい日本酒とつまみで幸せになっていると、お待ちかねのおでんが。

おでん都の外装、おでん大根と出汁割り、かわはぎの肝ポン酢、日本酒の常山が書かれたイラスト。
文字で記事中の内容とともに、おでん都が路地裏にあり、提灯が目印であることが書かれている。

真打、おでん登場!

まず頼んだのは大根、ちくわ、そしてたまご。 まずは大根、さっきの美白なおでん大根とはうってかわってしみしみです。お口に入れるとじゅわっとお出汁と大根の甘さが広がって、しみじみ美味しい。より「おでん」を楽しむお味です。 そして次はちくわ。思ったより重い! 食べてみるとその理由がわかりました。歯を押し返してくるような弾力、だけど歯切れは良くてちくわ自体の味がとっても美味しい。それがお出汁と合わさってさらに美味しくなっています。 たまごは焼印で、可愛らしいだるまのお顔がついています。あれ?ぷにぷに? と思ってお箸でぱかっと開くとなんと半熟! 白身も黄身もお出汁とあわさって初めての感覚です。おでん、固茹で卵が煮込まれているのも美味しいけれど、半熟もとっても美味しいのかとびっくり。

次はちょっと違ったものもいただいてみようということで、ねぎぶくろ、茹でタンをチョイス。 ねぎぶくろは油揚げの中に九条葱がたっぷり詰まっていて、しゃきしゃきの葱と生姜がお口に楽しい。お出汁も葱と生姜の香りがうつって香味野菜はお出汁に合うんだ! と発見も。 そして茹でタン! ふわっふわのタン、牛かな? と思ったら豚と教えていただいてびっくり。こんなふわふわなことあるんだ! くらい柔らかくて、だけどお肉の旨みが詰まっていてとっても美味しい。わさびが添えられていて、そのわさびとあわせると本当に素敵。

他にも岩のりモッツァレラやその日おすすめだった大きなはまぐり、あれやこれやと楽しんで帰途に。ちょっと吉祥寺からは足を伸ばすけれど、全部とっても美味しかったから次はいつ行こうかな、なんて帰途でもう考えてしまうのがおでん都さんなのでした。三鷹駅からは近いよ!

おでん都のおでんの具として大根、たまご、ちくわ、ねぎぶくろ、茹でタンが描かれているイラスト。下部には岩のりモッツァレラを味わうオオカミのキャラクターとおすすめ3ポイントが書かれている。