御菓子処 俵屋
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- 営業時間
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11:00~17:00
- 定休日
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月、火曜(祝日の場合営業)
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- 電話
- 住所
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〒180-0005 東京都武蔵野市御殿山1−7−7
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吉祥寺通りを井の頭自然文化園方面に歩くと、一軒の和菓子屋さんが見えてきます。店内に入ると、季節の和菓子やかわいらしいクッキーがお出迎え。創業1855年の老舗「御菓子処 俵屋」は京都で生まれ、吉祥寺に移転して約30年。伝統的な和菓子はもちろん、井の頭自然文化園の動物たちをモチーフにしたクッキーやフィナンシェも人気です。今回は洋菓子を担当するパティシエ・川島さんに、俵屋のお菓子に込めた思いをうかがいました。
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Toggle俵屋の創業はなんと安政2年(1855年)。京都・福知山で御菓子造処司として誕生し、代々受け継がれてきました。約30年前に吉祥寺へと移転し、10年ほど前から6代目の友田さんがその歴史を受け継いでいます。
お菓子はすべて俵屋の店内で手づくり。伝統的な製法によってつくられる「甘納豆」や豆から煮立てた餡子をつかった「御召列車饅頭」、ころんと俵の形がかわいらしい「俵最中」など、職人のこだわりがつまった和菓子が並びます。
本格的な和菓子を提供する俵屋で、なぜ洋菓子も作るようになったのでしょうか? パティシエの川島さんにお話をうかがいました。
「もともと、先代(5代目)の頃から洋菓子にもチャレンジしたい想いがあったそうですが、6代目になったのを機に洋菓子を私が作ることになりました。私はもともと製菓学校で洋菓子を学んでいて、6代目の友田さんとは同じ学校の同級生なんです。」
同級生どうしでお店を切り盛りしているなんてとっても素敵です! 洋菓子の販売を始めたのは2021年頃。川島さんは「まだ洋菓子はスタートしたばかりですが、いろんなチャレンジをしたいです!」と意気込みを語ります。
和菓子と洋菓子、両方を手がける俵屋。川島さんに和菓子屋で洋菓子を作る難しさについて聞いてみました。
「洋菓子店とは設備が違うので、新たに揃えるものもありましたが、意外と和菓子の道具が使えたりして、工夫しながらお菓子づくりをしています。苦労もありましたが、逆にいい刺激になりました。」
そんな、和菓子と洋菓子の“いい関係”でうまれたお菓子が「動物最中フィナンシェ」。
おさるさんやリスの形をしたかわいらしい焼き菓子で、米粉の最中の皮にフィナンシェ生地を流し込んで焼き上げています。最中の皮は焼いても色がつかないので、仕上がりがとてもきれい。まさに、和菓子と洋菓子のいいとこどり!俵屋ならではの逸品です。
また、和菓子は季節ごとに表情を変えるのが特徴。洋菓子もそれに合わせて、季節感のあるものを取り入れているそうです。
かわいいリスのイラストが描かれた缶の中は、俵屋オリジナルのクッキーがぎっしり。リス型のクッキーや抹茶のどんぐりクッキーなど10種類のクッキーとキャラメルナッツ、金平糖が詰め合わされた、見た目も楽しいクッキー缶です。武蔵野市のふるさと納税の返礼品にも選ばれるほどの人気商品ですが、どのように生まれたのでしょうか?
「クッキー缶がブームだったこともあり、吉祥寺ならではのお土産を作ろうと、6代目の友田さんと相談しながら作りました。井の頭自然文化園のリスをモチーフにしています。」
なんと、缶に描かれているかわいらしいリスのイラストは6代目の友田さんによるもの! プロ級の腕前にびっくりです!
「オリジナルのクッキー缶を作るのにはとても費用がかかるため、クラウドファウンディングをおこなったんです」と川島さん。無事クラウドファウンディングは成功し、井の頭の森クッキー缶を販売することができたといいます。
ほかにも、ぞうさんクッキーの型を作るために3Dプリンターを活用するなど、新しい挑戦を続けている俵屋。伝統的な和菓子屋の枠にとらわれない発想と行動力に感動しました!
井の頭森のクッキー缶のほかにも魅力的なお菓子がいっぱいの俵屋。ぞうさんクッキーは小麦を使わないグルテンフリーの米粉クッキーです。和菓子は基本的に小麦を使わず、餅菓子や餡子が中心。乳製品や卵を使わないものも多く、アレルギーのある方にも安心です。
「和菓子は小麦をつかわないものか多いので、小麦アレルギーの方もよく来られます。米粉のぞうさんクッキーは、そんな方々の声に応える形で生まれました。」
春のおすすめ和菓子についてうかがうと、「苺大福とうぐいす餅がおすすめです。特に苺大福は、大粒で美味しいいちごだけを厳選しています」と川島さん。苺大福はゴールデンウィーク頃まで販売予定。うぐいす餅は青大豆のきな粉を使ったお餅で、4月までの期間限定です。
伝統の和菓子と吉祥寺にぴったりな洋菓子で新しいチャレンジをしている俵屋さん。最後にこれからの目標をうかがいました。
「これからも、吉祥寺のみなさんに受け入れてもらえるようなお菓子を作れたらと思います。特に動物をモチーフにした商品は興味をもってもらえるので嬉しいです。通販も充実させたいですし、いずれは和の素材を活かしたケーキも作ってみたいです」と笑顔で意気込みを語ってくれました。
かわいらしいお菓子の一つひとつに工夫とお菓子に対する愛情がたっぷり込められている俵屋さん。井の頭公園を散策しながら、俵屋さんのお菓子で吉祥寺を感じてみてはいかがでしょうか?
「和菓子屋さんがつくる洋菓子として、吉祥寺の定番の手土産になれるようがんばりたいです! 和菓子の伝統を大切にしつつ、洋菓子とともに楽しんでいただけたら嬉しいです。」
〒180-0005 東京都武蔵野市御殿山1−7−7
1975年に創刊し、2022年3月で創刊47年を迎える週刊きちじょうじ。吉祥寺のおいしいグルメ、カルチャー、話題のトピック、ニュースがわかる、吉祥寺で暮らす人のためのタウン誌のオンライン版です。