きち散歩

きち散歩

吉祥寺のおいしいものと散歩が大好きなわたなべえりさんによるコラムです。えりさんのすてきなイラストと共にお楽しみください。

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祝や米八

今回の記事の内容をまとめたイラスト入りのノート。

春風に誘われて、お餅。

春だ!お散歩だ!春の陽気を求めて神田川の散歩をしようかな。そしたら何かお供になる甘くてちょっとしっかりしたお菓子、どこかで買っていこうかな。 そんな気分の日に伺うのは井の頭公園に向かう七井通りから一本横の通りにある階段の上すぐ、「吉祥寺 祝や米八本店」さんです。
土日と祝日、そしておついたち(1日)にしか営業をしていない、おこわとお餅のお店です。 お隣にはGALLERY KAIさんがあり、展示期間中にはアートも楽しむことができます。

いろんな百貨店に入っているおこわ米八、そして催事などで美味しいお餅を提供している祝やの本店として吉祥寺に暖簾を出しているこのお店。そんな祝や米八さんは定番のちぎり餅やおこわ、お赤飯はもちろんのこと、その季節に合わせたお餅やおこわを取り揃えています。おついたちにご用意されるおはぎ、「波ぎぼたん」はその月にあわせたおはぎで、目からも味からも折節を感じられるのです。そして、土日にご用意されるちぎり餅も季節の素材と丁寧に作られた餡やお餅を合わせたもの。 おこわは定番から季節のお品まで何種類かあって、いつもどれにしようか迷ってしまいます。

祝や米八さんの外装のイラスト、内装のイラスト。

もっちり柔らかな季節を味わう。

公園に向かう道で桜が目の前に見える中、お店の中に入ると竹の皮に包まれたおこわ、そして今の季節の草餅である桜草餅をはじめとしたお餅、そして波ぎぼたんがお出迎え。あいにくの雨、お散歩には持って行くのが難しいけれど、それならおうちでお茶を淹れてまったり食べるのもよいかなと予定変更です。

まずは絶対に買おうと思っていたお赤飯! 実はアトレ吉祥寺の中にもおこわ米八さんがあるのでそちらのベーシックなお赤飯は昔から食べ慣れていることもあり、とても美味しくて大好き。そしてこちらの祝や米八さんのお赤飯はそれをさらに上質な素材で丁寧に作った特別なお赤飯なのです。

そして次は波ぎぼたん。今日は、鶯と、桜と、黒胡麻! 消費期限が当日だけど、絶対に食べきれちゃうのでうきうきしながらお買い上げ。鶯と桜は初めて食べるのですが、名前の通り鶯色と桜色。桜のおはぎの上には桜の塩漬けがのっています。

前回伺った時に買った桜草餅と草餅もお店に並んでいました。桜草餅は白餡と桜の塩漬け、草餅はあんこが蓬の香るお餅にのっています。こちらも消費期限が短いので、流石に食べられないと今回はお見送り。

おうちに帰ってまずは夜ご飯としてお赤飯を温め。竹の皮ごとレンジで温めることで、ふんわりと竹が香るお赤飯に。もっちりしたお米に、サクッと歯切れのよいささげがお口に楽しい。そして一緒についてくるごま塩が実はとっても美味しい! たっぷりかけていただきます。
デザートにはお待ちかね、楽しみにしていたおはぎ。鶯はきなこと抹茶が白餡にマッチしてほろ苦くてちょっとだけ大人のお味。桜は白餡と漉し餡を合わせた半小豆が桜の塩気と合わせて甘過ぎず、でもとってもまろやか。そして黒胡麻は香り高い胡麻に漉し餡で、黒胡麻の軽いつぶ感と漉し餡のなめらかさがとても楽しい。白餡から漉し餡の味わいのグラデーションという切り口でも味わうことができます。半小豆はあんまり食べたことがなかったけれど、白餡のさらっとした甘さとこし餡のこっくりした甘さのいいところ取りで、春のお天気みたいな味。暑くも寒くもなく、気持ちよくお散歩できるようなお味でした。

実は秋から今にかけて、すっかりはまってしまって何度も訪れているこのお店。たとえば、黒胡麻とみたらしのセットを買って秋の紅葉を見ながら井の頭公園のベンチで食べたり、生のし餅を買って帰っておうちでぜんざいにしてみたり。鰹節と青のりが香るちぎり餅の大根はとっても美味しいんだけど、数量限定だから秘密にしておきたかったり。予定が合わなくて買いに行けず、また今年のその季節を狙っているお餅やおこわもたくさんあります。次の季節のお餅とおこわはなんだろうな、そんな折々の楽しみになっているお店が祝や米八さんなのです。

季節のお餅(桜草餅、草餅、みたらし)のイラストとおこわ(お赤飯、栗赤飯)のイラスト。
大根おろしのお餅をお勧めするオオカミのキャラクターと、おすすめ3ポイントがまとまったイラスト。

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