ゆりあぺむぺる
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- 営業時間
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11:30〜20:00 金、土、祝前日 11:30~22:00
- 定休日
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月曜
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- 電話
- 住所
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〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-6
JR吉祥寺駅南口から徒歩2分
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吉祥寺のおいしいものと散歩が大好きなわたなべえりさんによるコラムです。えりさんのすてきなイラストと共にお楽しみください。
Index
Toggleゆりあぺむぺる、「聞いたことが不思議な響きだけど柔らかい音」と思うか、「ああ、宮沢賢治の『春と修羅』のユリアとペムペルか」と思うか、はたまたもっと別のことを思うか。人それぞれだけど、きっと受け取る響きやイメージそのままのお店が南口を出て右手に少し歩くと見えてきます。
吉祥寺で時間がゆっくり流れる空間はいくつかあるけれど、レトロでクラシカル、可愛らしいけどちょっと退廃的、そんなお店。外から見ると出窓と、彫刻が施された木の扉、たくさんの植物。そして「ゆりあぺむぺる」の文字。周りのお店とはちょっと違う、ここだけ少し昔のヨーロッパのような雰囲気です。木の少しだけ重いドアを開けると、中はほんのり暗くて、コーヒーのいい香り。2階もあるのだけれど、タイミングなのかいつもなぜか1階に案内してもらいます。可愛らしいくらげのようなランプが柔らかい光を放って、空間ごとふんわりとした温かい光で満たされています。
カウンターの中ではコーヒーや紅茶がご用意されて、いい香りが漂っています。お店の中には生花が飾られていたり、ピンクの電話があったり。ピンクの電話の横にはドライフラワーといくつか紙ものが置いてあって、その中には週きちも。上のランプからの光が表紙を照らしています。このランプたちはどれもアンティークで、どのランプもとっても可愛い。
ゆりあぺむぺるはいろんなメニューがあって、いろんな人が頼むのは大きなクリームソーダ。InstagramやいろんなSNSで出てくるのはきっと色とりどりのクリームソーダだったり、かためのプリンだったり、でもそれ以外にもたくさんのメニューがあります。アレンジコーヒーだけでもホットアイス合わせて16種類もあって悩んでしまう、けれど今まであれこれ試した中で私が一番好きだ、と思ったのがスパイスコーヒーとゆりあぺむぺるのプリンを一緒に食べること。案内された革張りの柔らかすぎない椅子に座って待っていると、ほどなくしてやってきました。
まずはスパイスコーヒー。
スパイスといえばコーヒーではなくて紅茶、チャイのイメージが強いけれど、これはコーヒー。ブラックコーヒーにスパイスを合わせた温かいドリンクです。
最初にびっくりしたのが、カップが丸ではなくて六角形。ジバンシィのカップのようで、スパイスコーヒーの香りにマッチしたシャープな印象です。スパイスコーヒーにはシナモンスティックが添えられていて、それ以外にもオールスパイス、そしてクローブが1つカップの中に入っています。コーヒーの香りももちろん素晴らしいけれど、そこにオールスパイス、シナモン、クローブの甘いのにピリッとした香りがあわさってとっても素敵。
そして、ゆりあぺむぺるのプリン!
プリンは少し小ぶりで生クリームと赤いさくらんぼが添えられています。プリンはかたいプリン、という想像よりもみっちりむっちりしている、と言った方がきっとあっていて、しっかりしているのに濃厚でとても滑らか。バニラの甘い香りと生クリームの甘い香りがたまりません。卵の甘さ、バニラの甘さ、生クリームの甘さって全部方向が違うのに、1つにまとまってお口の中でとろけます。
そしてここでスパイスコーヒーをひとくち。普通のコーヒーでももちろん合うのだけれど、クローブのバニラのような甘い香りにシナモンとオールスパイスの甘い香りがプリンの甘い香りをさらに引き立てます。でも、ベースはブラックコーヒーだからお口はさっぱり。香りは甘いままだから、満足感はそのままにもうひとくちが進みます。
今日は食べなかったけれど、そのほかのおやつでおすすめはクリームソーダ、そしてマロンシャンテリー。
クリームソーダは色とりどりで、想像よりもずっと大きいサイズで提供されます。ベーシックなものと季節のものがあるのですがまず最初に飲んでほしいのはゆりあぺむぺるクリームソーダ。柘榴(ざくろ)のお味でほかでは飲めないクリームソーダです。柘榴の酸味に柔らかい甘味のアイスが乗っていて、なんだかそれだけで幸せになってしまいます。夜にだけのお楽しみ、Moon riverもおしゃれな味。ナイトテイスト、とは書いてあるけれどノンアルコール、ダークな色調のクリームソーダにレモンが添えられていてまんまるお月様みたい。
そしてマロンシャンテリー。栗のクリームを食べる、文字にしてしまえばただそれだけのお菓子ではあるけれど、それだからこそ美味しいのです。甘くてこっくりしていて、栗が滑らかだけれどぎゅっと詰まっています。公式のインスタグラムで紹介されていた、レモンコーヒーと合わせるのがとってもおすすめ、なぜならこのスイーツは甘い甘いクリームを楽しむものなので想像していたよりも甘味が強いから。レモンの酸味とコーヒーの苦味と酸味がこっくりとした栗とミルクのクリームをさらっとさせてくれます。
ずっとなんだか混んでいるゆりあぺむぺるだけれど、忙しない混みかたではなくて、ゆったり混んでいます。普段はきっとSNSで見たのであろう女の子たちが多いけれど、この前訪れた時は時間が遅かったのもあってサラリーマンや老夫婦がお茶を楽しんでいました。ずっとここにある喫茶店で、きっとこの先もあってほしいなあ、私がもっと歳を取っても楽しみにこれる場所であってほしいなあ、そんなことを思いながらスパイスコーヒーの残りひとくちをいただくのでした。
①レトロで穏やかな時間が流れる店内
外よりちょっとだけ暗い店内は本が読めるくらいの明るさ。PCをカタカタするよりは、本を読んだり、手帳やノートに書き付けをしたり、ぼんやり物思いに耽ったり、そんなゆったりした時間と空気が流れています。
②スイーツだけではなくお食事も。おなかにあわせて!
今回ご紹介した以外にもティラミスやピンクモンブランといったスイーツ、そしてしっかり食べたいときにはパスタやワンプレートメニュー、カレーやピザがラインナップされています。
きっとみんな大好きなナポリタンやカルボナーラから、プロヴァンスハーブのレモン風味のパスタといったちょっと聞きなれないメニューまで、「カフェ」と言われて想像するよりずっと多いメニューがずらりと並んでいるので、ぜひお腹を空かせて訪れてみてください。
③お皿にも注目!今日はどんなカップ?
記事の中でもカップに触れましたが、ゆりあぺむぺるでは日やドリンクによっていろんなカップで提供されます。たとえば縁がひらひらした花柄のもの、口が少し開いているまん丸いもの、花柄だけど大きい一輪が描かれているもの、どれも口当たりが良くてとっても素敵です。
どんなカップが来るかな、なんて思いながらドリンクを選んでみてもいいかもしれません。
ゆりあぺむぺるさんでは週刊きちじょうじを配布しています。
週きちをもらいがてら、お店を訪れてみませんか?
〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-6
JR吉祥寺駅南口から徒歩2分
1975年に創刊し、2022年3月で創刊47年を迎える週刊きちじょうじ。吉祥寺のおいしいグルメ、カルチャー、話題のトピック、ニュースがわかる、吉祥寺で暮らす人のためのタウン誌のオンライン版です。