前進座 舞台のいろは

前進座 舞台のいろは

1931年に創立した前進座は、東京都武蔵野市を本拠とする日本の歌舞伎も上演する劇団です。

「前進座 舞台のいろは」は歴史ある劇団から舞台の裏側を学べるコラムです。舞台まわりの小道具の紹介や知られざる役者さんのあれこれをご紹介します。

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前進座 舞台のいろは「朗読劇の脚本」

1931年に創立した前進座は、東京都武蔵野市を本拠とする日本の歌舞伎も上演する劇団です。

歴史ある劇団から舞台の裏側を学べるコラム「前進座 舞台のいろは」では、舞台まわりの小道具の紹介や知られざる役者さんのあれこれをご紹介します。

「朗読劇の脚本」

私は20年以上、朗読劇を書いていますが、今だにその書くコツは勘としか答えられません。ですから、何とも漠然としてよく分かっていないのです。

この度7、8月に松本清張原作「砂の器」を朗読劇として上演します。この脚本でやっと何も考えずという境地で本を書いたように思います。事前に、もちろん箱書も構成も何も考えず、行き当たりばったりで、結句その方が経験上うまくいくのです。頭で拵えていては、あの大長編を70分にして耳だけで理解して戴くことは難しいでしょう。

実は、創作上の私の役目は、ただ胃が重くなるほどひたすら心配しているだけなのです。考えない方が、遥かに深く、広くどこかで考えているのでしょう。不思議です。

脚本家(演出部)鈴木幹二