Bar&Brasserie Funky
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- 営業時間
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15:00〜24:00(コーヒータイム18:00まで、バータイム18:00から) ※バータイムはチャージ代あり
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なし
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- 電話
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〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7−3 2F
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吉祥寺のジャズバーといえば、まず思い浮かぶのが「Funky(ファンキー)」。1960年に吉祥寺で誕生した老舗が、2025年の秋ついにリニューアルオープンしました! ファンキーは“ジャズ喫茶ブーム”の火付け役としても知られる野口伊織さん1が手がけた銘店。その名は今もなお、吉祥寺カルチャーの象徴として語り継がれています。今回は、そんなファンキーの歩みとリニューアルについて、運営を手がける株式会社 麦の野口満理子さんにお話をうかがいました。

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Toggleファンキーが誕生したのは1960年。野口伊織さんのご両親が営んでいた喫茶店「ブラジル」の地下で産声をあげました。当時、モダン・ジャズに夢中だった高校生の伊織さんが「自分のお店を開きたい」と提案し、両親が運営を引き受けたことがきっかけです。ジャズ雑誌の編集長に300枚のレコードを選んでもらうなど、多くの人の協力を得てスタートしたといいます。

野口さん「お客さんがリクエストしたレコードを大音量で楽しむ空間だったそうです。『新しいレコードが入ったらしい』と聞けば、マスターたちがレコード店へ買いに走る。それをいち早く自分の店でかけるんです。『ファンキーにあの盤があるらしい』と聞きつけて、お客さんが集まってくる時代でした。ファンキーのほかにも、ジャズ喫茶メグなどもありましたね。」
当時はまだ自宅で高品質なオーディオを楽しめる人が少なかった時代。質の高い音で大音量のジャズを聴けること自体が特別な体験でした。ファンキーの人気は瞬く間に広がり、1966年には3階建ての店舗へと拡張。「各階ごとに違うオーディオを置いて、それぞれの雰囲気に合ったジャズを楽しめたんです」と野口さんは話します。

そのとき制作されたのが、このチラシ。“脅威のスピーカーシステム”というキャッチコピーとともに、スピーカーの名機「JBL パラゴン」を大々的に打ち出しています。

地下にあった当時のファンキーは、作家・倉橋由美子さんの小説『暗い旅』にも登場します。「暗い、海獣の口中のような窖(あなぐら)、炭酸ガスの多い空気、それを攪拌する強い振動……」と描かれたその場所で、倉橋さん自身が小説を書いていたのだとか。
「野口伊織がそう言っていましたので、間違いないと思います」と野口さんが微笑みます。


時代が進むと、レコードが自由に買えるようになり、自宅で音楽を楽しむ人が増えました。「レコードを楽しむだけのジャズ喫茶が成り立たなくなっていったんです」と野口さん。吉祥寺PARCOの建設に伴い、ファンキーは現在の場所へ移転しました。
野口さん「野口伊織という人はビックリするようなことをやる人で(笑)。移転後のファンキーはなんと“洋菓子カフェ”になったんです。」
その大胆な変化に、当時のジャズファンたちは驚きを隠せなかったそう。ジャズをBGMに、ケーキやサンドイッチを提供するお店として1970年から23年間、ファンキーは“洋菓子カフェ”として新たな時代を歩みました。

そして1993年。「自分が間違っていた。やっぱりジャズに戻す」と、伊織さんは再び初心に立ち返ります。和食店・Maruに眠っていた名機パラゴンを戻し、“ジャズバー&キッチン”として再出発。ここまでが、ファンキーの今までの物語。そして2025年、野口伊織さんのエッセンスを詰め込んだ“新生ファンキー”が、いよいよ幕を開けます。
野口伊織さんの店づくりには、いつも“驚き”があったといいます。今回のリニューアルにも、そんな遊び心とこだわりがたっぷり。そんな新生ファンキーのこだわりをご紹介します!


野口さん「これまでもファンキーの主役はパラゴンでしたが、今回はなんとカウンターの中に設置しました。お客様がパラゴンと“向き合って”お酒を楽しめるようになっているんです。いわば“小さな劇場”のような空間ですね。」
ファンキーではお酒だけでなく、料理にもとことんこだわっています。なかでも看板メニューは、試行錯誤を重ねてたどり着いたという、自慢のビーフシチュー。ステーキのようなお肉とバターライスをソースと一緒に合わせれば、思わず笑みがこぼれるおいしさ!
カフェタイムには、ハンドドリップで丁寧に淹れたコーヒーとともに、系列店「檸檬雫」のチーズケーキやレモンパイも楽しめます。


3階の丸い吹きぬけには、かつてシャンデリアが吊るされていました。震災で落ちてしまったその照明を、今回のリニューアルで復活。周りには腐食させた銅板を貼り合わせ、ウイスキーの蒸留器“ポットスチル”を思わせるような表情に仕上げています。


店内のどこからでもパラゴンの音を感じられるよう、囲むようにレイアウトされた客席。椅子はすべて異なるデザインで、「全部同じより違う方が面白い」という伊織さんの哲学を受け継いでいます。

以前は黒を基調としていた壁面を、内装の美しさが引き立つ色へと変更。また、来店客を迎える鉄の扉は、伊織さんと長年親交のあった「さいとう工房」さんによるものです。ほかにも、伊織さんが“ジャズに戻した”当時の看板を入口に埋め込むなど、細部にまで物語を感じられる仕上がりになっています。




吉祥寺の文化を語るうえで欠かせない存在、野口伊織。彼が遺したエッセンスを令和の時代に再構築したのが、今回の新生ファンキーです。リニューアルをきっかけに、伊織さんが手がけた店を愛してきた人たちとの出会いもあったそう。
「今回のリニューアルでは、野口伊織が生み出したいろんな要素をすくい上げて、拾い集めて、歴史やこだわりを散りばめた、そんな摩訶不思議な空間になっていると思います」と野口さんは笑顔で語ります。
過去と未来、音と空間、驚きとくつろぎ。それらが凝縮されたファンキーは、まさに“吉祥寺カルチャーの小劇場”。ぜひあなたも、極上のサウンド、おいしい料理とお酒、そして心地よい時間に酔いしれてみてください。

これまでのファンの方にも、ファンキーをはじめて知る“未来のファン”の方にも楽しんでいただけるお店を目指しました。パラゴンを主役とした“小さな劇場”のようでありながら、サロンのようにくつろげる空間になっていると思います。ジャズバーは少しハードルが高いかもと感じる方には、15時からのカフェタイムもおすすめです。丁寧に淹れたコーヒーをご用意してお待ちしています。

〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7−3 2F