【新年午年企画】馬と向き合うキャンパスライフ。成蹊大学馬術部を訪ねて

成蹊大学馬術部キャプテン・立木さん。お気に入りの「ツバサ」と一緒に

新年あけましておめでとうございます! 2026年の干支は午年。吉祥寺に関わりのある“馬”にちなんだ特集を組みたい!ということで、今回取材に訪れたのは、吉祥寺にキャンパスを構える成蹊大学馬術部。成蹊大学に馬術部があると聞いて、思わず気になった方もいるのではないでしょうか?

今回は、成蹊大学馬術部キャプテン・立木(ついき)さんに、部活のこと、馬のこと、そして日々の活動についてお話をうかがいました。

前身から数えてまもなく100周年!歴史ある成蹊大学馬術部

成蹊大学キャンパス

吉祥寺駅から北側、五日市街道沿いに広がる成蹊学園。2012年に創立100周年を迎え、小学校から大学・大学院までが1つのキャンパスに集まる、自然豊かな学園です。正門へ続く並木道は、成蹊の名物ですよね。

成蹊大学馬術部があるのは、そんなキャンパスの北東側。部室、広々とした馬場、そして馬たちが暮らす厩舎(きゅうしゃ)が並んでいます。

正門から10分ほどかけて馬場へ
成蹊大学馬術部の馬場

「まったくの未経験でしたが、大学で何か新しいことをやってみたくて馬術部に入りました」と話してくれたのは、現在大学3年生でキャプテンを務める立木(ついき)さん。

成蹊大学馬術部は1950年に創部。前身から数えるとまもなく創部100周年(1927創設)を迎える歴史ある部活です。現在の部員数は45名。そのうち1年生が28名と、半分は新入生が占めています(2025年12月時点)。

「馬術部に興味のある新入生がたくさん入ってくれたんです。他大学だと経験者中心のことも多いですが、うちの馬術部は“馬と触れ合いたい”というような学生も気軽に入れるので、そこが強みかなと思います。」

立木さんが入部した頃の部員数は20人にも満たず、慢性的な人手不足だったそう。

「人が少ないとそれだけ作業が増えて、大変だからと辞める部員も出てきて…」と振り返る立木さん。今は部員が増え、負担はかなり軽減。それでも、立木さんは今も毎朝4時に起き、始発で登校する生活を送っています。生き物である馬の世話は、何よりも大切なミッション。その責任の重さが伝わってきます。

成蹊大学馬術部の厩舎。馬がそれぞれくらす部屋は「馬房(ばぼう)」と呼ばれる

競技の前にお世話あり!馬術部のリアルな日常

馬とのコミュニケーションが大切!

立木さんのお話からもわかるように、馬術部の活動で欠かせないのが馬のお世話。競技以前に、まずは馬の健康管理が重要です。

「早朝から夜まで、彼らがいる馬房(ばぼう)の掃除や餌やりなどのお世話をしています。2025年の夏からは、朝6時半集合で10時から11時くらいまで活動しています。」

その後も、授業の合間を縫って14時、16時、19時と餌やりが続きます。
ブラッシングをしながら体調の変化を確認するのも、大切な役目。運動不足になると、疝痛(せんつう)と呼ばれる症状を起こすこともあるため、日々気が抜けません。

「先輩たちのやり方を引き継ぎながら、『薬品』係が獣医さんと相談して管理しています」と立木さん。「ここまで頑張れたのは、ある意味馬がいたから」と笑顔で話す立木さんの姿がとても印象的でした。

「自分たちが最初に入った頃は…とついつい苦労話をしちゃいますね(笑)」と、当時を振り返る立木さん

人馬一体のスポーツ。馬術ってどんなスポーツ?

2025年に行われた〈第60回オリンピック記念馬術大会〉での様子(写真=成蹊大学馬術部)

馬術は、馬に騎乗し“人馬一体”で技術を競うスポーツ。その歴史は古く、馬を使ったスポーツは古代オリンピックからすでに行われていたといわれています。現在オリンピックでは「馬場馬術」「障害馬術」「総合馬術」の3つの種目が実施されており、動物とともに行う唯一のオリンピック競技として知られています。成蹊大学馬術部ではそのうち「馬場馬術」「障害馬術」の2つを中心に活動しています。

「馬場馬術は、決められた経路をどれだけスムーズに馬を動かせるかを見る競技。監督は“馬がダンスしているように見せる競技”って言いますね。騎乗者が“何もしていないように見えるのに、美しく動いている”のが理想です。」

一方の障害馬術は、障害物を飛び越えながらタイムや正確性を競う競技。馬が障害物に怯まないよう、きちんと走らせるのを目的としています。

同じ“馬術”でも、求められるものはまったく違う2つの競技。話を聞けば聞くほど、“人馬一体”という言葉の意味が、少しずつ実感として伝わってきました。想像以上に奥が深いスポーツです!

2025年に行われた〈第71回東京馬術大会〉での様子(写真=成蹊大学馬術部)

馬と息を合わせて大会へ。春・秋シーズンの挑戦

成蹊大学馬術部は、大会にも積極的に参加しています。年間でおよそ10回ほど大会があり、なかでも秋に行われる〈関東学生自馬競技大会〉を大きな目標にして活動しています。部員は、大会出場を目指す学生と、馬とのふれあいを中心に活動する学生に分かれ、それぞれのペースで部活に向き合っています。

「夏は暑さの関係で大会が少なく、春と秋がシーズンになります。大きな大会に向けて、自分のレベルを確認する意味もあって、いろいろな大会に出場しています。関東学生自馬以外だと、4つの大学で競い合う〈四大戦〉1もありますね。」

2025年に行われた〈第71回東京馬術大会〉での様子(写真=成蹊大学馬術部)

また冬には、〈冬季武蔵野市民馬術大会〉で成蹊大学の馬場を提供するなど、地域と連携した取り組みも行っています。

馬術部でのやりがいについてたずねると、「今までできなかったことができるようになった瞬間や、言うことを聞かなかった馬がすんなり応えてくれたときが一番うれしいですね」と教えてくれました。人と馬の信頼関係があってこそ成り立つ馬術競技。だからこそ、成功したときの喜びは格別です。

地域連携の取り組みのひとつとして、馬糞をコンポストで堆肥にし、地域の農家さんに届ける活動も

個性いろいろ!成蹊大学馬術部の8頭の仲間たち

現在、成蹊大学馬術部には8頭の馬が在籍しています。立木さんが1年生の頃から比べると、4頭も増えたとか。蹊蹄会(成蹊大学馬術部OBOG会)の協力を得て、引退競走馬を譲り受けるケースもあるそうです。

※2025年12月時点(写真=成蹊大学馬術部)

ツバサ(約17歳)

立木さんのお気に入り。最年長であり成蹊大学のエース的存在。穏やかな性格ですが、内には闘志がメラメラと燃えています。

ゴッホ(約13歳)

昔から馬術部にいるベテラン。かわいらしい、馬術部のアイドル的存在!

アレンデール(約12歳)

蹊蹄会の寄贈で入厩。おとなしい性格で、障害も素直によく飛ぶ。

アポロムーン(約8歳)

黒鹿毛の大人しい性格。競走馬時代はマイネルエンカントとして活躍。

ダノンファラオ(約8歳)

なんとジャパンダートダービー(地方・G1)で優勝経験あり!とても大人しい性格。

トップスティール(約6歳)

体の大きな馬術部の最年少。競馬から引退して半年ほど経った2025年に入厩。

フェスタラビータ(約7歳)

わんぱくで人懐っこい、ワンパクな男の子。愛称はラビちゃん!

カランドゥーラ(約7歳)

穏やかな性格のセン馬。トップ同様、競馬から引退後2025年に入厩。

成蹊大学馬術部から週きち読者の皆さんへ

毎年、11月末に開催される「欅祭(文化祭)」と、3月末の「成蹊桜祭2」では、乗馬体験やにんじんの餌やり体験を実施しています。これらの取り組みは、馬術部の活動費の一部としても活用されています。なお、桜祭では全頭がそろう予定です!

ちなみに、成蹊大学馬術部はSNSも積極的に発信中。馬術部の日々の活動や馬たちの様子を見ることができますよ。こちらもあわせてチェックしてみてください!

成蹊大学馬術部 公式ウェブサイト

成蹊大学馬術部 X

成蹊大学馬術部 インスタグラム

  1. 成蹊大学、学習院大学、成城大学、武蔵大学の4大学で競われる運動競技大会。成蹊大学馬術部は2024年、2025年と2年連続で優勝しました。 ↩︎
  2. 2026年3月29日(日)開催予定 ↩︎