「上田紬(絹織物)と古代カゼインテンペラ世界展」思わず息を呑む豊かな色彩を楽しんで

リベストギャラリー創では1月27日(木)から2月2日(水)まで、「上田紬(絹織物)と古代カゼインテンペラ世界展」が開催されています。さっそくギャラリーへうかがうと、今回の企画展を主催される武藤挺一さんや作品を出展されている作家の方々がいらっしゃり、直接お話を聞くことができました。

カゼインテンペラ画とは?

今回の展示でメインの一つであるカゼインテンペラ画。色彩の美しさや重厚感が魅力です。また、油絵のように顔料の乾燥を待つ必要がないことも特徴のひとつなんだとか。その色鮮やかさは実物を目の前にするとよくわかります!

テンペラ画を制作されている武藤挺一さんは作品制作のためにヨーロッパへめぐり、時間をかけて描いていくこともあるそうです。40年カゼイン画方で描き続けており、今なお新しい表現や技術の探求を続けているそうです。

武藤挺一さんの緻密な作品達

武藤さんの描いたテンペラ画はギャラリーへ入って正面の壁一面に展示されており、その鮮やかな色彩が見る人の目を楽しませてくれます。

近づいて見てみると、顔料の凹凸が立体感を生んでいるのがわかります
現地へ赴いて描かれた「ノートルダム大聖堂」
小さな絵画もあります
お話を聞かせてくれた武藤さん。こちらの「かを」が一押しだそうです

また、武藤さんは夏にも作品展をここリベストギャラリー創で開催される予定となっているそうです。今回の展示ではその展示会へ向けて制作を進めている作品も見ることができました。

NUはフランス語で「裸」という意味

同じ手法で描いているのに、こんなに変わる!作家さんごとの違いを楽しむ

今展示されているのは武藤さんの作品だけではありません。武藤さんと繋がりのある作家さんが描いたテンペラ画も見ることができるんです。同じテンペラ画でも作家さんごとに個性や違いを見ることができます。

作家さんが違えば雰囲気もガラリと変わりますね

もう一つのテーマ「上田紬」

大きな上田紬はやはり目を惹きますね

今回の企画展はカゼインテンペラ画ともう一つテーマがあります。それがこの上田紬。日本三大紬の一つに数えられることもある絹織物です。制作された小岩井カリナさんは長野県に住まわれており、コロナウイルス感染症の流行拡大の影響で残念ながら在廊されてはいませんでしたが、その紬はギャラリーの中でも一際目を引く美しさを持っていました。

可愛くて、普段遣いもできそう!
武藤さんが被っていた帽子も上田紬なんですね

小岩井カリナさんの上田紬はInstagramでも見ることができます。カラフルで優しい風合いを持つ紬の素晴らしさを発信されているので、こちらもぜひチェックしてみてくださいね。

色鮮やかな作品を見て、感じて、楽しんで!

個展初日は賑わいを見せていました

今回の展示会「上田紬(絹織物)と古代カゼインテンペラ世界展」の作品はどれもとても色鮮やかです。カゼインテンペラ画も上田紬も、作家さんの個性や技術がその色彩の美しさに現れており、目と心両方で楽しむ事ができました。作家さん同士でも交流があるそうで、ギャラリー全体が楽しげな雰囲気に包まれたとても素敵な空間になっていたのがとても印象に残っています。新型コロナウイルス感染症の感染には十分気をつけながら、色彩豊かな作品の数々を楽しみに訪れてみてはいかがでしょうか。

お話を聞かせてくれた作家さん方、ありがとうございました!

出展作家一覧

武藤挺一
小岩井カリナ
熊谷得志
佐藤貴奈
鉄仙一郎
松岡滋子
築山洋子
武藤佳苗

(三隈)