手染め手ぬぐい屋 ともぞう本舗
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- 営業時間
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土、日曜、祝日 12:00~17:00(雨天休み・不定休)
- 定休日
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平日
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- 住所
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〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-26-4 ハウス秋山駐輪場内
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吉祥寺中道通りから少し入った路地に、週末だけ現れる手ぬぐい屋さんをご存じですか? その名も「ともぞう本舗」。武蔵野市発のおみやげ品「むさしのプレミアム」にも認定されている、吉祥寺の手ぬぐい店です。
店主であり手ぬぐい作家の「ともぞう」さんがデザインから制作・販売まですべてを一人で手がける完全ハンドメイドの手ぬぐいたち。そのデザインは、伝統的な和柄をベースに、思わずクスッと笑ってしまうような遊び心がたっぷり。吉祥寺にちなんだモチーフも多く、地元の方々にも大人気です。
今回は、これからの夏にもぴったりな「ともぞう本舗」の手ぬぐいの魅力を取材してきました!

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「ともぞう本舗」のはじまりは、「井の頭公園アートマーケッツ」への出店がきっかけだったそうです。ともぞうさんは、3日間のチャレンジ出店を経て、2010年からはレギュラーとして参加するようになりました。 「最初は、まるでお店屋さんごっこのような感覚で始めたんです。出店するには屋号が必要だな、マークも作らなきゃ、パッケージも用意しよう…と少しずつ形にしていきました。実は、屋号のマークは本名がモチーフになっているんですよ」と、笑顔で話してくれました。

ともぞうさんが手ぬぐいづくりを始めたきっかけをうかがうと、最初はご主人へのプレゼントだったそうです。
「祖父母が呉服屋を営んでいたこともあって、着物文化がだんだん廃れていくのを少しさみしく感じていたんです。着物の柄には一つひとつ意味があって使われていたので、そうした背景をうまく伝えられたらいいなと思っていたところ、染色の学校があると聞いて。見学に行ってみたら、自由に作品をつくれるオープンカレッジをやっていたんです。そのとき、ちょうど主人が手ぬぐいを集めていたので、誕生日プレゼントに手ぬぐいを作ってみようと思ったのが最初のきっかけですね。」
さらに、手ぬぐいづくりに夢中になったのは、ある“失敗”があったからなのだとか。
「最初のデザインで幅を間違えてしまって、うまくいかなかったんです。それで、『もう一度ちゃんとやってみたい』と思って通いはじめたのが本格的に始めるきっかけでした。もし最初からうまくいっていたら、きっと続けてなかったと思います(笑)」
気軽な気持ちで始めた手ぬぐいづくりが、今では武蔵野市のおみやげになるなんて本当に素敵です! ともぞう本舗の手ぬぐいから感じるあたたかさの理由が、少しだけわかった気がしました。

ともぞう本舗で扱っている手ぬぐいの柄は、2025年5月の取材時点で中道通りの店舗に並んでいるものが10〜20種類。これまでに作られてきた柄は、なんと約100種類にもなるそうです。
古くから伝わる文様をベースに、ひと捻り加えたデザインはどれも個性的でユニーク。その手ぬぐいたちが、どのようにして作られているのか、お話をうかがいました。
「手ぬぐいはすべて自宅で作っています。ガス台を移動させて作業場にして、お風呂場で洗って干して……。全部一人でやっているんです。」
ともぞう本舗のウェブサイトでは、その制作工程も詳しく紹介されています。デザインから完成までには、大きく分けてざっと10工程以上。それをすべて一人でおこなっているなんて、本当に驚きです!

手ぬぐいの染め方には、大きく分けて2つの方法があります。細かい柄の表現が得意な「捺染(なっせん)」と、裏表がなく染め上がる「注染(ちゅうせん)」です。ともぞう本舗の手ぬぐいは、すべて捺染で作られているとのこと。
「糊に染料を混ぜた“色糊”を使って染めています。シルクスクリーンのような方法なので、細かい柄もきれいに出るし、グラデーションも美しく表現できるんですよ」とともぞうさん。
「もともとは着物づくりに捺染が使われていたそうですが、工程上どうしても裏表ができてしまうんです。そこで、裏までしっかり染まる注染が生まれたんですね。」
数ある工程の中でも、特に楽しいのはデザインを考える時間だといいます。
「デザインを考える工程と、実際に刷る工程はまったく別物なんですよ。(刷るときに)雑念が入るとうまくいかないんです(笑)」と笑うともぞうさん。伝統的な文様にはそれぞれ意味が込められていますが、ともぞうさんはそこに遊び心を加えて、使う方が楽しめるデザインに仕上げているそうです。
「もともと昔の文様を伝えたいという思いから始めたんですが、ネットで調べてみると、意味がなかった柄に後から意味がつけられていたりして(笑)。そういう時代による変化も面白いなと思っています。」
時代とともに変わっていく文様の意味や価値を楽しみながら、手ぬぐいに込めるともぞうさんの姿がとても印象的でした。

それではお待ちかね!ともぞう本舗の手ぬぐいをご紹介!
昔の文様をベースにしたものから、吉祥寺エリアでしか買えないオリジナルデザインのものまで、手ぬぐいにまつわるエピソードを聞いているだけでワクワクしちゃいますよ♪
ジグザグ模様が山道を思わせる、昔ながらの文様です。険しそうだけど、登ってみれば空が広がっているかも。そんな気持ちがデザインされています。

「三崩し」は、昔の計算道具・算木をモチーフにした「算木紋」を崩したような形のデザイン。次第に三本ずつ石畳のように並べられました。規則的でどこかリズミカルな、伝統柄のひとつです。1本だけキュウリが混ざっています!

ぱっと見シンプルに見えるこの柄、「吉祥寺」の文字が角ばった文字で表現されています!老若男女どなたにもぴったりくるデザインです。

井の頭池のスワンボートがモチーフ。実際のスワンボートにちなんで、一隻だけ「まゆげ」のあるスワンがいます。ふるさと納税の返礼品にもなっています!

ハーモニカ横丁の入り組んだ路地と提灯がモチーフ。2つのデザインにすることで、ハーモニカ横丁の昼と夜を表現しています。こちらもふるさと納税の返礼品!

吉祥寺といえば、井の頭自然文化園にいたゾウの「はな子」。はな子はかつて、日本最高齢だったアジアゾウです。前を向いて歩いて行こうというメッセージが込められています。


個性豊かで魅力的なデザインがそろう「ともぞう本舗」の手ぬぐい。「どこで買えるの〜?」という方は、ぜひ中道通りの路地にある店舗へ行ってみてください! きっと店主のともぞうさんが手ぬぐいについて楽しく教えてくれますよ♪ 土日祝日限定の開店で、晴れの日だけの営業なので、行く前にSNSをチェックするのがおすすめです。
ともぞう本舗 Instagram tomozouhonpo
ともぞう本舗 X tomozou_honpo
そのほか、吉祥寺の喫茶とケーキのお店「Bo-peep(ボーピープ)」や、吉祥寺美術館、三鷹の「Little Star Restaurant(リトルスターレストラン)」でも取り扱いがあります。ちなみに、Little Star Restaurantではコラボ手ぬぐいも販売中です!
吉祥寺のおみやげに、夏のおしゃれのワンポイントに。デザインに込められたストーリーとともに、手ぬぐいのある暮らしを楽しんでみてくださいね。


約20種類ほどの取り扱い
営業時間 11:00〜18:00L.O.
定休日 木曜
住所 武蔵野市吉祥寺本町1-35-17
電話 0422-21-7747
「象・スワンボート」2種類の取り扱い
住所 武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階
電話 0422-22-0385
約8種類ほどの取り扱い
営業時間 11:30〜14:30(LO.14:00)/ 17:30〜22:00(LO.21:00)
定休日 月、火曜
電話番号 0422-45-3331
住所 三鷹市下連雀3-33-6 三京ユニオンビル3F
※手ぬぐいは売り切れの場合もございます。
最近は手ぬぐいを使う方が少なくなっていて、ちょっとさみしく感じています。昔のように、身だしなみのひとつとして気軽に楽しんでもらえたら嬉しいです。
防災のときには裂いて包帯として使えたり、実はいろんな場面で活躍するんですよ。一枚の布なので、切ってハンカチにしたり、ふきんとして使うのもおすすめです!
ぜひ、日々の暮らしの中で手ぬぐいを取り入れてみてくださいね。


〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-26-4 ハウス秋山駐輪場内