厳選した果物とこだわりのフローズンヨーグルト。「ウッドベリーズ マルシェ」で旬を楽しもう

ウッドベリーズ マルシェ

吉祥寺で長年親しまれているフローズンヨーグルトの専門店をご存じですか? その名も「ウッドベリーズ」。まもなく創業30年を迎える地元の人気店です。吉祥寺駅南口からすぐ、井の頭通り沿いにある「ウッドベリーズ本店」と、ヨドバシ吉祥寺の裏手にある「ウッドベリーズ マルシェ」の2店舗を展開しています。

今回は、季節の果物をたっぷり味わえる「生のせシリーズ」が人気の「ウッドベリーズ マルシェ」をご紹介。旬のフルーツと爽やかなフローズンヨーグルトの組み合わせは、暑い夏にぴったりです!

「最初は勢いで始めたんですよ」と笑顔で話してくれたのは、代表の田川さん。お店が誕生した背景や、こだわりの製法で作られるヨーグルト、選び抜かれた果物への思いまで、たっぷりとご紹介します。

お店のはじまりは“勢い”でスタート

ウッドベリーズの代表・田川さん

「もともとは、高校の同級生3人ではじめたんです。」——そう語ってくれたのは、フローズンヨーグルト専門店「ウッドベリーズ」の代表・田川さん。お店が吉祥寺にオープンしたのは1997年。今でこそ“甘さ控えめ”なスイーツは一般的ですが、当時はまだ珍しい存在だったといいます。そんな時代に、なぜ「フローズンヨーグルト」のお店を始めたのでしょうか。

「24歳のとき、高校の同級生3人でカナダに旅行したんです。たまたま入ったお店で、はじめてフローズンヨーグルトを食べたんですが、とてもインパクトがあった。“日本で紹介したら面白いかも”と思ったのが、すべての始まりでした。最初はフローズンヨーグルトを輸入して売ることも考えましたね。」

吉祥寺駅南口からすぐの「ウッドベリーズ本店」

とにかく3人で何かを始めたい——そんな気持ちが背中を押し、約2年後に開店へと動き出します。開業にあたって、何か特別な勉強をされたのでしょうか?

「本当に勢いだけで始めたんですよ。根拠のない自信があって(笑)。当時はまだインターネットも普及していなかったので、調べる手段も限られていました。それで、もう一度カナダに行って、製造工程や機械を見せてもらったりしたんです。でも、2回目に食べてみたら、最初ほどの感動がなかったんですよね(笑)。それなら、自分たちで作れるんじゃないかって思ったんです。今思えば、完全に若気の至りですね(笑)。」

こうして約半年間の試行錯誤を重ね、なじみのある吉祥寺の地に「ウッドベリーズ」をオープン。

「食品業界の経験もない、ただの素人が“なんとかなるだろう”くらいのノリで始めました。今思えば、怖いもの知らずでしたね(笑)」と、当時を懐かしそうに振り返る田川さん。 3人で取り組んだことが、ここまで続けられた大きな理由でもあるといいます。

「店をやめるという選択肢は、ほぼなかったですね。3人だと挫折しにくいというか。意地でもなんとかしなきゃと思ってやってきました。」

開業から数年後には、新宿・立川・下北沢にも店舗を広げます。しかし、その挑戦は思うようにはいきませんでした。

「お店を拡大したときも、やっぱり勢いでしたね(笑)。結果としては大失敗で、最終的に吉祥寺の1店舗に戻すことになりました」と田川さん。しかし、その失敗が今のウッドベリーズに繋がる糧となったそうです。

「ヨーグルト」と「果物」の原点に立ち返る

はじめは軽い気持ちからスタートしたウッドベリーズ。店舗を1つに戻したときに、原点に立ち返るタイミングがあったといいます。

「根本から考え直さなきゃと思ったんです。その中で原材料となる、『果物』と『ヨーグルト』の質を上げていこうとなりました。商品の“素材”となる原点ですね。」

市場で買い付けていた果物は、農家さんから直接取り引きするスタイルに変更。ヨーグルトも自家発酵のものへと切り替えました。

「農家さんの果物って安定してるし、なにより本当においしい。自然と“もっとそのままの果物を楽しんでもらいたい”って思うようになったんです。たとえば桃や梨なんかは、フローズンヨーグルトに混ぜ込むと味がぼやけてしまう。だったら、生で食べてもらいたいなって。」

そうして生まれたのが、フローズンヨーグルトの上に生の果物を乗せたパフェスタイル。本店での試作を経て、“果物が主役”の2店舗目、「ウッドベリーズ マルシェ」が誕生しました。

「ウッドベリーズ マルシェ」のカウンター。新鮮な旬の果物を味わえます

「それまでは“自分たちがやりたいことをやる”っていう気持ちだけで店づくりをしてたんです。ユニークなお店にしたいっていう思いが強すぎて、それでうまくいかなかった。1店舗に戻したとき、改めて“フローズンヨーグルトを主役にしよう”と決めて、内装や見せ方もすべて見直しました。原点に戻って、そこに磨きをかける。その意識がやっと持てたんです。」

最初は果物のことを全然知らなかったという田川さん。今では全国の農家さんとのつながりも増え、彼らの姿勢に刺激を受けながら「果物のおいしさを表現したい」と考えるようになったそうです。

「お店はいい意味で尖ってきてると思います。満足できないものは出したくない。最近はいい形でお店をやれているかなと思います。」

ウッドベリーズ この夏おすすめの果物たち

店内に貼られたウッドベリーズの契約農家さん一覧

ウッドベリーズのフローズンヨーグルトは、定番の「ベーシック」はもちろん、旬の果物を混ぜ込んだ多彩なフレーバーも魅力のひとつです。

「果物の味が全体の3〜4割を占めるので、出来上がりは果物の質に大きく左右されるんです」と話す田川さん。ヨーグルトへのこだわりはもちろん、「果物の味こそがウッドベリーズの味」と語る田川さんに、取材時(2025年7月前半)おすすめの果物を教えてもらいました!

ネクタリン(山梨県山梨市・丹沢農園)

食べ頃:7〜8月

皮が赤くツルッとした見た目で、果肉は鮮やかな黄色。桃の仲間で、ほどよい酸味とジューシーな甘さが特徴です。

田川さん「つくっているのは、まさに“ネクタリンの第一人者”とも言える方。ご自身で品種の掛け合わせもされていて、ワインなどにも詳しい。お話するたびに勉強になるんですよ」

いちじく(東京都小平市・やまね園)

食べ頃:8〜10月

プチプチとした食感が楽しい、フレッシュな味わいが魅力の果物。甘みの強い完熟いちじくは、市場にあまり出回らない希少な味です。皮の色や風味が異なる「黒いちじく(ビオレソリエス)」や「白いちじく(バナーネ)」などの品種があります。

店内にはやまね園の手づくりジャムも

田川さん「シーズン中は、朝採れのいちじくを届けてもらっています。いちじくは完熟がいちばんおいしいと言われていますが、とても傷みやすいので市場にはあまり出回らないんです。近くの農家さんから直接仕入れているからこそ楽しめる味だと思います。」

桃(山梨県一宮町・一実屋エコファーマーグループ)

食べ頃:7〜8月

甘くジューシーな果汁がたっぷり。白桃系(果肉が白いもの)と黄桃系(果肉が黄色いもの)があります。

桃のいい香りが店内にいっぱい広がっていました♡

田川さん「一実屋さんは、吉祥寺駅近くのハーモニカ横丁そばにある果物屋さんです。たくさんの農家とつながりがあって、その中から特に良いものを選んで配達してくれるんです。中でも桃は、とにかく質が高いですね」

おすすめのフローズンヨーグルトを食べてみた!

そんなこだわりの詰まったウッドベリーズのフローズンヨーグルト、どんな味か気になりますよね!ということで、田川さんおすすめの「ネクタリン 生のせシリーズ」と、2025年5月に登場した「濃密ギリシャ&フローズンヨーグルト はちみつ アサイーがけ」をいただきました!

とろとろな甘さ!生のせ「ネクタリン」

「ウッドベリーズ マルシェ」でしか味わえない「生のせシリーズ」は、旬の果物を注文ごとにカットし、そのままトッピングした贅沢なメニュー。ベースのヨーグルトのフレーバーも選べるので、組み合わせは無限大! 季節ごとにメニューが変わるので、訪れる前に公式SNSをチェックするのがおすすめです。それではいただきま〜す!

まず一口食べて感じたのが、その濃厚な甘さ。完熟したネクタリンがこんなに甘いだなんて…!思わずお店の方に「シロップ漬けじゃないですよね…?」と聞いてしまうほど。

今回はベーシックなフローズンヨーグルトをセレクトしてみました。さっぱりとした酸味とマッチして夢のようなおいしさ♡ 果物だけでも、ヨーグルトだけでも、もちろん一緒に食べてもおいしい。まさに、この夏おすすめの一品です!

濃厚さっぱり!ウッドベリーズの真骨頂

田川さん「ヨーグルトは工房で仕込んでから、店舗にきています。」

もう一つのおすすめは、2025年5月に登場した「濃密ギリシャ&フローズンヨーグルト はちみつアサイーがけ」。田川さんがギリシャとトルコを訪れ、現地で食べたヨーグルトからインスピレーションを得て開発された新メニューです。

まず驚くのは、ギリシャヨーグルトの濃厚さ。まるでチーズのような深みのある味わいに感動です…!さっぱりとしたフローズンヨーグルトとの酸味が加わり、味の違いがより引き立ちます。味のバランスも抜群!

ウッドベリーズのヨーグルトはすべて「自家発酵」。小平にある工房で仕込んで、定期的にお店に届けられています。いるとのこと。冷やしてアイス状にしてもコクや素材の味がしっかりと出るよう、乳酸菌の種類から選んでいるそうです。

旬の果物とフローズンヨーグルト。吉祥寺の名店の味

春と秋にはパフェも出している「ウッドベリーズ マルシェ」。どの季節に行っても旬の果物とフローズンヨーグルトが楽しめます。吉祥寺の名店の味、ぜひ一度ご賞味あれ!きっとリピートしたくなるはずです!

週きち読者のみなさんへメッセージ

お店を出すにあたって、吉祥寺以外は考えていませんでした。商品が吉祥寺に合ったのか、吉祥寺に商品が馴染んでいったのかはわかりませんが、お客さんと私たちの商品がうまくフィットしたからここまで続けてこられたんだと思います。吉祥寺はほどよく都会で、ほどよく自然があって“いいとこどり”な街だと思います。「吉祥寺の夏はフローズンヨーグルト」となれたら嬉しいですね。

一年を通して楽しめるウッドベリーズ、ぜひ足を運んでみてくださいね!