ANGELIKA(アンジェリカ)
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- 営業時間
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11:00〜18:00 金曜 11:00〜21:30
- 定休日
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月曜
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- 住所
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〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町4-6-3 MOON RIVER BLDG 2F
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毎月第2週にお届けする「カフェ&ワインバル ANGELIKA(アンジェリカ)」共同オーナーの髙田和子さんによるコラムです。コラムを担当する髙田さんはANGELIKAと平行して、現在も映画関連のお仕事をされています。映画愛がつまった月イチの連載コラム、どうぞお楽しみください。
「週刊きちじょうじ」と「週刊きちじょうじオンライン」で毎月第2週にお届けする「ANGELIKAで映画の話を」。「カフェ&ワインバル ANGELIKA(アンジェリカ)」共同オーナーの髙田和子さんによるコラムです。
ANGELIKAは吉祥寺・中道通り近くに位置するこだわりのコーヒーとワイン、エッグタルトを提供するお店。コラムを担当する髙田さんはANGELIKAと平行して、現在も映画関連のお仕事をされています。映画愛がつまった月イチの連載コラム、どうぞお楽しみください。

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『バード ここから羽ばたく』
監督・脚本:アンドレア・アーノルド
2024年/イギリス・アメリカ・フランス・ドイツ
アップリンク吉祥寺にて上映中

イギリス郊外でシングルファーザーの父と暮らす12歳の少女ベイリーは、ある日、「故郷を探している」と言う奇妙な男“バード”と出会い、心を通わせ始めます。やり場のない苛立ちを抱えたまま、曇り空に閉じ込められたようなベイリーの日常が、いくつかの出来事を経て、一気に鮮やかに色を帯びるラストシーンへ! バードが彼女にとってどんな存在だったのかが、ラストでわかります。リアルとイマジネーションの融合が秀逸! このような表現で「未来はきっと大丈夫」と描けるとは!新鮮な驚きを味わいました。

本作を語る上で外せないのが音楽。ブラーの「The Universal」、コールドプレイの「Yellow」、ザ・ヴァーヴの「Lucky Man」。聞き覚えのある楽曲が映画の中で物語に寄り添うように流れたことで、今日から特別な思い入れを持つということがあります。音楽とセットで忘れられない映画になりました。


『KIDS/キッズ』
監督:ラリー・クラーク
1995年/アメリカ
出演:レオ・フィッツパトリック、ジャスティン・ピアース、クロエ・セヴィニー
NYの街角でたむろしながら、刹那的に生きる90年代キッズの24時間を描く映画です。10代のリアルを撮り続けてきた伝説の写真家ラリー・クラークの初監督作。彼が言います、「これが現実だ。黙ってちゃんと見ろ!」と。

仲間と集い、セックスとドラッグに明け暮れ、生命力を持て余しながら、どこか空虚なキッズたち。そんななか、ティーンの孤独と不安を体現するジェニーの表情や行動に、気がつけば目が離せなくなっていきます。演じるクロエ・セヴィニーの圧倒的な存在感に、監督が、この映画の核を託したことがわかります。『バード ここから羽ばたく』も、羽を持っているのに羽ばたき方を知らない少女のリアルを託されたベイリー役ニキヤ・アダムズの存在感が、映画の核となっていました。彼女にも、これから女優としての飛躍を期待したいです。クロエ・セヴィニーは、その後『ボーイズ・ドント・クライ』で数々の映画賞を受賞しアカデミー賞助演女優賞候補にもなり、今も様々な映画で印象的な役を演じ続けています。

『KIDS/キッズ』も音楽について語らずにはいられない映画です。予告編にも使われている2曲は、ザ・フォーク・インプロージョンの「Daddy Never Understood」と「Spoiled」。ティーンの暴走と無垢を、それぞれが見事に表現しました。90年代後半に現れたこの衝撃作が、今年2025年の秋、30年ぶりにリバイバル上映されます。ぜひ映画館で“目撃“してください。

〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町4-6-3 MOON RIVER BLDG 2F