FROM吉祥寺・4人組バンド「グソクムズ」メジャー2ndアルバム『SCRATCH』をリリース!いつもの「スクラッチ」で語る吉祥寺の思い出

4人組バンド「グソクムズ」。右手前:たなかえいぞを、左手前:加藤祐樹、右奥:中島雄士、左奥:堀部祐介

吉祥寺にゆかりのあるミュージシャンは数あれど、令和の時代に“吉祥寺”を掲げて活動するバンドといえば「グソクムズ」。
たなかえいぞを(Vo,Gt)、加藤祐樹(Gt)、堀部祐介(Ba)、中島雄士(Dr)の4人からなるバンドです。2023年12月には武蔵野公会堂でのワンマンライブを成功させ、吉祥寺音楽祭へは2年連続で出演。そんな勢いに乗る彼らが、メジャー2ndアルバム『SCRATCH』を2025年11月5日(水)にリリースします。
なんとタイトルの由来は、吉祥寺プチロード沿いのカフェ&バー「SCRATCH」とのこと。というわけで、いつものたまり場「スクラッチ」で、吉祥寺の思い出をたっぷり聞かせてもらいました!

「スクラッチ」でのミーティングはいつもこの席だそう

グソクムズ Gusokumuzu

東京・吉祥寺を中心に活動する4人組バンド。 メンバーは、たなかえいぞを(Vo, Gt)、加藤祐樹(Gt)、堀部祐介(Ba)、中島雄士(Dr)の4人。メンバー4人共に作詞・作曲を行う。
2023年7月には東京・渋谷WWW Xにてワンマン公演を成功させ、同月FUJI ROCK FESTIVAL 2023のROOKIE A GO-GOに初出演。11月から全国5都市を回るツアー”道の途中”を開催し、ファイナルはホームタウンである東京・吉祥寺の武蔵野公会堂にて開催し、SOLD OUT。
2024年4月にメジャーデビューアルバム「ハロー!グッドモーニング!」をリリースし、レコ発となる東京・大阪でのワンマン公演を開催。また、11月からは全国7都市で開催するワンマンツアーを敢行。ファイナルは自身最大規模となる東京 LIQUIDROOMで開催。2025年11月にメジャー2ndアルバム『SCRATCH』をリリース。

バンドのはじまりはアコースティックデュオから

当時を振り返るたなかさん

グソクムズの始まりは2014年。たなかさんと加藤さんによるアコースティックデュオとしてスタートしました。バンドにしていきたい、とサポートで呼ばれたのが加藤さんの高校の先輩でもある堀部さん。たなかさんは「年上の先輩に『ライブ観に来てくださいよ〜』って言っておいて、『ベース弾いてくださいよ〜』と甘えまくりました(笑)」と笑います。

その後、ドラムに中島さんが加入。2016年ごろ、大塚のスタジオで偶然出会ったのがきっかけでした。「吉祥寺で働いていたペンタの店員さんが『大塚で店長やってる』と聞いて遊びに行ったら、そこでバイトしていたのがなかじ(中島)さんでした」とたなかさん。こうしてデュオから2年ほどで、現在の編成になっていきました。

「スタジオペンタ」と「谷記(くき)」、思い出の吉祥寺コース

店員さんとケンカすることもあったとか。「朝になると気まずくなっていました(笑)」と加藤さん

現在は東京の外にも活動を広げているグソクムズ。初期は吉祥寺の老舗ライブハウス「曼荼羅」などでライブを行っていました。思い出深いスタジオとしてあげていたのは、ヨドバシカメラ前にあったスタジオペンタ「吉祥寺MUSASHI」。

「24時間やってたので、ほぼひと晩中いましたね」とたなかさん。「スタジオに入らず、店員さんとずっと人狼ゲームをしてた(笑)」と加藤さんが笑うと、全員が当時を懐かしんでいました。

練習後は中華料理店「谷記(くき)」へ行くのが定番コース。現在は「福龍」に名前を変えていますが、“ペンタから谷記”は定番ルートだったそう。ほかにも「スタジオ・レダ」など、今はなき吉祥寺のスタジオで今のグソクムズが形作られていきました。

メンバーそれぞれの“吉祥寺”

メンバーは全員、出身はバラバラ。それでも吉祥寺にはそれぞれの思い出がいっぱい。メンバーのみなさんに吉祥寺の思い出を聞かせてもらいました。

ボーカル・ギター:たなかえいぞを(1995年生まれ)

吉祥寺って、もともとは親と一緒に来るような街だったんですけど、中学1年生のときに初めて友達だけでゲーセンへ遊びに行ったんです。これが自分の中の成功体験で、印象に残ってます。それからは、友達と来る街になっていきましたね。高校へは吉祥寺駅を使ってたんですが、ドトール(吉祥寺公園口店)で毎朝、楳図先生がコーヒーを飲んでたのを覚えてます。あと、「曼荼羅」系列の「ROCK JOINT GB」でバイトもしていました。

ギター:加藤祐樹(1996年生まれ)

言えないこともいろいろありますけど…(笑)、高校のとき、バイトして初めてギターを買ったのが、今はもうない吉祥寺の『ROCK INN』でした。バイトで貯めたお金を握りしめて、ギブソンのファイヤーバードを買いました。あと、FC東京が好きで、街を歩いてると選手を見かけることも結構ありましたね。楳図先生にも会ったら挨拶してました。「こんにちは〜」って言うと、ちゃんと返してくれました(笑)。

ベース:堀部祐介(1993年生まれ)

吉祥寺って、遊びに行くって感じの記憶はあんまりなくて、だいたいベースを背負って来る街っていうイメージです。 高校のとき、友達と組んでたバンドで人生初のブッキングライブに出たのは吉祥寺でした。「クレッシェンド」っていうライブハウスで、ライブに出られるらしい!って友達が見つけてきてくれたんです。

ドラム:中島雄士(1990年生まれ)

よく吉祥寺に来るようになったのは、グソクムズに入る前にやってたバンドの拠点が吉祥寺だったからなんです。ペンタで練習したり、曼荼羅にも出たりしてました。そのあとグソクムズにサポートで関わるようになったんですけど、もともといたバンド(ヤオヨロズ)とグソクムズも接点があって。そのバンドのボーカルとたなかが、ハモニカで飲んだりしてたこともあったんですよ。

“ホープラ”での日々、ホームタウンでのライブ

実はグソクムズの2020年からの音源は、吉祥寺のカフェバー「HOME PLANET」のレーベルからリリースされたもの。当時はよく“ホムプラ”ならぬ“ホープラ”に集まり、腕ずもう大会をしていたとか。「当時はお金がないから、Tシャツが1種類しか出せなくて。何色にするかとかでよくケンカしていました(笑)。いま思えばあれが大事だったんでしょうね」とたなかさん。

最後に加藤さんが「忘れちゃいけないのは、武蔵野公会堂でのワンマンライブじゃない?」と話してくれました。当時、井の頭公園の近くに住んでいた中島さんは「いつも横を通るここでライブをするのか!」と感慨深かったそうです。堀部さんも「自分たち以上に、お客さんが吉祥寺での開催を喜んでくれていました」と振り返り、特別なライブだったことが伝わってきました。

また、吉祥寺音楽祭への出演も2年連続で果たした彼ら。たなかさんは以前から「いつかキチオンに出られたらいいな」という思いがあったそうで、「GWのキチオンに出るのは、地元民としてやっぱり憧れがありますね」と語ってくれました。

『SCRATCH』に込めた想い

今回のインタビュー場所となった、彼らの“たまり場”でもあるカフェ&バー「スクラッチ」。メジャー2ndアルバム『SCRATCH』のタイトルの由来となったお店です。インタビューの最後に、そのアルバムタイトルに込めた想いを聞いてみました。

たなかさん「アルバム制作のとき、“タイトルどうしようか”ってみんなでいろいろ考えてたんです。ちょうどこの席でミーティングしてて、あーでもないこーでもないって話してたときに、加藤くんが『アルバムタイトルなんて、ぶっちゃけなんでもいいんだけどね』ってポロッと言ったんですよ。」

加藤さん「そのとき、ふとあの“SCRATCH”って書かれた鏡を見たんです(笑)。」

たなかさん「それで“じゃあ、ぶっちゃけSCRATCHでもいいんじゃない?”って指さした先に、あの文字があったんですよ。」

中島さん「“SCRATCH”の響きもいいねってなり、みんなで意味を調べてみたら、いろんな解釈ができる言葉で。そのままタイトルに決まりました。」

由来となった鏡を指差す加藤さん
アルバムタイトルの由来となった「スクラッチ」の鏡

アルバム制作中は、家と喫茶店、そしてスタジオを行き来する日々だったというみなさん。そんな日常の中から、このタイトルが生まれたとも言えそうです。

中島さん「曲のテーマが“家”とか“生活”にまつわるものが多かったので、タイトルも自分たちの生活に近いところから出したいね、って話してたんです。じゃあ、いつも集まってるここ(スクラッチ)でいいじゃん!ってなりましたね。」

バンドにとって欠かせない場所となっていた「スクラッチ」。そんな空間から生まれた、日常に寄り添うグソクムズの音楽。
日々の暮らしと地続きのそのサウンドは、これからも多くの人の生活に寄り添い、彩ってくれるはず。きっと、長く愛される名盤になることでしょう!

グソクムズと吉祥寺をお散歩!

吉祥寺での思い出やアルバムへの想いをたっぷり語ってもらったところで、せっかくなのでバンドのみなさんと一緒に吉祥寺をお散歩! 歩きながら思い出話にも花が咲いて、とても楽しいインタビューになりました。

はな子の前でパチリ。先日公開されたMV「 いっつも」と同じ並び順で
ゆかりのある吉祥寺の各所をめぐったMV。週きちが取材したお店もたくさん出てきます!
思い出の武蔵野公会堂前で
七井橋通りから井の頭公園へ
リラックスした雰囲気で井の頭公園を散歩
最後は井の頭公園の橋の上で

たなかさんから週きち読者のみなさんへ

僕の中の“街”といえばやはり吉祥寺。 人格の大部分は、たくさんの思い出のあるこの街で形成されました。

ただ、実をいうと僕は吉祥寺に住んだ事は一度も無いうえ、古から続く本誌を今年初めて知るという程の不届者。 地元を謳っている人間としては恥ずかしい限りです。

しかしながら、新しい縁というのは良いもの。 本誌を通して、この街はまた僕の視野を広げ、少し違った景色を見せてくれました。 同じように、吉祥寺をきっかけにグソクムズを知ってくれた皆さんの、これからの景色がちょっぴり違って見えたりしたら嬉しいです。

以後お見知り置きを。

たなかえいぞを(Vo./Gt.)

おまけ

インタビューの前に、1996年4月12日発行の「週刊きちじょうじ」に掲載された「スクラッチ」の記事を見せたところ、みなさんとても喜んでくれました! 店内がほとんど変わっていないことに驚いていたのが印象的でした。ほかに掲載されていたお店についても興味津々。

週刊きちじょうじ1101号(1996年4月12日発行)
ちなみに、この号の発行日は、ギターの加藤さんが生まれる2日前でした!

Major 2nd Album グソクムズ 「SCRATCH」

発売日 2025年11月5日(水)
全11曲収録(配信、CD、アナログ同時発売)
完全生産限定盤(アナログ盤):4,200円
通常盤(CD):3,600円

収録曲
1. ぼくらしあわせ 2. あぶないルール 3. それは恋に違いない 4. また咲く花 5. いっつも 6. 艀 7. ご機嫌な雨 8. 言葉の先 9. ハートのブギー 10. 春の歌 11. もうわんていく

グソクムズOfficial Website

東京・吉祥寺を中心に活動する4人組バンド・グソクムズのオフィシャルホームページ https://www.gusokumuzu.com/

配信プラットフォームはこちら

スクラッチ

  • 営業時間
    ランチ•カフェ 11:30〜17:00 カフェ•バー 17:00〜22:00(金土曜23:00まで) ※バータイムは水曜日+不定休
    メモ
    喫煙可
  • 電話
    住所

    〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-14 マルコポーロビル2F

    吉祥寺駅から徒歩3分

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