吉祥寺村立雑学大学
2097回(2021/10/23)雑大レポート 「語源 由来あれこれ」
====== 本記事は、雑学大学に参加された方によるレポート記事です ======
前半:アルコール関連で「菊酒、桃酒」を話題に;各霊力あり邪気を払うとて昔から人気;花びらを浮かべ飲む;特に9月9日「重陽の節句」3月3日「上巳の節句」が有名;季語にある「三千世草」は「三千年」に一度実をつける伝説上の「桃」からだが、「西遊記」ではさらに六、九千年の例も;三千で「仙人」、六千で「長生不老」、九千年に一度の実を食べれば「天地のあらん限り生きながらえる」という;孫悟空の手下、猪八戒の「八戒」は「五葷三厭」(にんにく、ニラ、ヒル、ネギ、ラッキョウなど仏家が嫌う八種の忌物)を断ち三蔵法師を待っていた猪に三蔵が与えた呼び名;
後半:両生類の「山椒魚」が話題;名称は粘液の香りが「山椒」に類似とか、「山椒」の木に登る故とか;これは1708年の「大和本草」(貝原益軒著)からだが、貝原は中国の「本草綱目」(1578)も参考に;但し日本の「文徳実録(9世紀)」に「椒魚」の記載あり;「山生魚」(山に生じる魚)の説もあり名称は各種あったのかも; 一方海外の山椒魚は「salamander」;欧で18世紀、この山椒魚の化石を「ノアの洪水」と絡め「人骨」と判定し19世紀に訂正した経緯あり;あのシーボルトは日本からオオサンショウウオを持ち帰ったが、それは彼が欧での人骨の化石問題を熟知していた故ではないか; この「サラマンダー」は「火の精」の意もあり12-13世紀のプレスタ―ジョン伝説、東方見聞録にも登場:即、火中に棲みマユを作る虫がいて、そのマユから火でも燃えない布が織れるとの内容(火浣布); これは「竹取物語」でかぐや姫が求婚者5人に無理難題を課す話の1つ「火鼠の皮衣」に類似;偽の皮衣を持参した「あべの右大臣」は嘘がばれ姫と会えず;周囲は「会えた」思ったが「あべがいない」 ー>「あべなし」ー>「あへなし」ー>「敢え無し」で現代に至る由; (文責:なかむらたかし)