吉祥寺村立雑学大学
2102回(2021/11/27)雑大レポート「西洋との出会いーザビエルから皇太子ヒロヒトまでー」(3)
====== 本記事は、雑学大学に参加された方によるレポート記事です ======
講師:芳野 健二 氏
かつて日本人は、西洋人から見るととても幸せな民族だったようだ。幕末に来た名高き考古学者シュリーマンは「世界で一番清潔、平和で行き渡った満足感」「男女混浴とはなんと清らかな素朴さか!」と讃えた。英国の冒険女性イザベラバードは「身体は貧相だが、優しく好奇心に富み、子を可愛がり、女性が安全」と手放し。イギリスのワーグマン、フランスのビゴーはポンチ絵で当時の世相を鋭く切り取った。写真家のベアトーも貴重な映像を残してくれた。日本人を妻にし長く滞在したドイツの医者ベルツは鋭い観察を日記に残した。「皇室は操り人形で、不幸だと伊藤博文は囁いた」「国民は憲法発布を中身も知らずにお祭り騒ぎをしている」 一方、苦しい2年間のロンドン留学の漱石は「西洋社会は愚かで窮屈だ」とバッサリ。原敬のアイデアで、19歳の皇太子ヒロヒトは修学旅行に当時の世界帝国イギリスを訪れ、ジョージ5世の薫陶を受けるが、別の英国紳士からは「近頃の英国は信義地に落ちた。西洋かぶれになるな!」と忠告される。のちに天皇の名で「鬼畜米英!」を叫ぶ羽目になろうとは、、。
図1、ビゴーの「自転車に乗る芸者」、図2、イザベラ自筆の「日本の理想郷山形の娘」、図3、漱石も散歩を楽しんだロンドンの公園(我がスケッチ)、図4、皇太子ヒロヒトとジョージ5世。
(文責:芳野 健二)
吉祥寺村立雑学大学とは
吉祥寺村立雑学大学は、1979年10月7日に開講された、3タダ主義の自主運営市民講座です(授業料・講師料・会場費の経費無料)。
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