写実的なのに想像が膨らむ作品の数々と向き合って「山口和男 パステル画展」
こんにちは。週刊きちじょうじの三隈といいます。
突然ですが、美術館に行ったことはありますか?教科書に載っているような有名な作品や著名な芸術家の作品を鑑賞できるだけでなく、新しい出会いや発見もあるかもしれない素敵な場所ですよね。「芸術に触れる」となったら一番に思い浮かぶ場所ですし、訪れたことがある人も多いと思います。
一方で、同じ美術品を扱う場所でも、ギャラリー・画廊に行ったことがある方となるとあまり多くないのではないでしょうか。なんだか芸術の素養がある人の集まる場所というイメージがあって、あまり馴染みがない場所ですよね。
実は、五日市街道沿いにあるリベストギャラリー創では、毎週入れ替わる様々な芸術家さんの作品を気軽に楽しむことができるんです。 今週は個展「山口和男 パステル画展」を開催されている山口和男さんに、素敵なパステル画のお話を聞いてきました。
まるで写真のよう!?リアルな様で「その人らしさ」を感じる作品とは
山口和男さんは百貨店やギャラリーを中心とした個展活動のほか、絵画教室でも指導をされています。リベストギャラリー創での開催は17回目となる今回の個展では、果物や花・風景・人物などを写実的に表現したパステル画を展示しています。
ギャラリーの雰囲気は落ち着いていて、現実から切り取ってきたかのような繊細な絵画とじっくり向き合うことができました。
山口さんは絵を描く際に、上手下手ではなく「その人らしさがでること」を大切にされているといいます。素直に、普通に描くことを心がけることで、山口さん自身も知らなかった「自分らしさ」を追求されているそうです。
今回の個展の見どころをうかがうと、「洋梨」という絵を紹介してくれました。柔らかく、落ち着いた雰囲気で描かれており、自分のイメージと近い作品にできた自信作だと教えてくれました。
また、山口さんは2020年にNHKテレビBSプレミアム「美の壺〜麗し甘し桃〜」にて桃を描く画家として出演されており、今回の個展でも山口さんが描いた桃の作品を見ることができました。桃の柔らかなうぶ毛の質感が感じ取れるような、優しげな印象を持った作品です。山口さんによると、実際にはパステルでうぶ毛そのものを描くことはできないそうですが、桃の柔らかさだけでなく果実の甘さまでイメージが膨らんできます。写実的であることにとどまらない山口さんの技術の高さを感じました。
幼い頃から絵が好きで、他のことは苦手だったけれど、絵だけは得意だったという山口さん。絵に携わる仕事がしたいと、親の反対を受けながらも絵の道に進んだといいます。いざ絵を学び始めたら教室中で自分が一番下手だった、という経験もあったそうです。そうした経験から、人と比べるのではなく、自分が生き生きとできることをするのが一番だと考えるようになったとお話してくれました。そんな山口さんが自分と向き合って描くからこそ、写実的なのに優しげで柔らかなイメージを感じ取れる絵になるのかもしれませんね。
今回お話を聞かせていただいた山口和男さんは、突然のインタビューにも関わらずとても丁寧に対応してくださり、誠実で優しい方だなと感じました。来場されるお客様も山口さんとお話していると自然と笑顔になっていくのが印象的です。山口さんのお話を聞くと、作品からより一層「山口さんらしさ」を感じることができるというところもこの個展の魅力かもしれませんね。
「山口和男 パステル画展」は12月22日まで。山口さんは期間中毎日在廊される予定です。ぜひ、リベストギャラリー創まで足を運んでみてくださいね。
また、山口さんはご自身のサイトで、パステル画や油彩・デッサンといった作品や作品作りに対する姿勢などを公開されています。サイトでは絵画教室の情報やご自身で作られた俳句なども見ることができます。さらに2005年から現在まで更新されている山口さんのブログでは、新しい作品や参加されたクロッキー会での人物スケッチなど、最新の山口さんの活動を知ることができます。個展と合わせてぜひご覧になってくださいね。
油彩静物 - 画家 山口和男(ホームページ):https://kazuo-y-art.jimdofree.com/
画家 山口和男(ブログ):https://kazuo25s25.blog.fc2.com/