#吉祥寺で本と出会う

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大人も3歳になれる!?絵本専門の古本屋さんで外国の絵本たちの魅力知る!MAINTENT(メインテント)インタビューvol.2【#吉祥寺で本と出会う】

いよいよクリスマス本番!!

寒い日が続きますがサンタさんへの手紙と、クリスマス絵本の準備はいかがでしょうか?

もしまだの方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください!

さて、今回は吉祥寺にある絵本専門の古本屋、MAINTENTでのインタビュー第2回!

テーマは、外国の絵本です!

前回に引き続き、オーナーである絵本蒐集家フランソワ・バチスト氏にお話を伺います。

バチスト氏の後ろにある可愛いロゼットたちは、取材に伺った際に開催中だった展示。MAINTENTでは、時にアーティストさんの展示も行っています!

【字が読めないからこそ!】外国絵本の魅力

MAINTENTには英語、ドイツ語、チェコ語などさまざまな言語の絵本が並びます。これらは、バチスト氏が自らの足で外国に訪れ集めたものや前の所有者さんたちから受け継いだもの!背表紙の字体も違っていて、絵本の雰囲気を表しています。背表紙を見ているだけでも、どんな絵本なのか想像が膨らみますね!

絵本と絵本の間に挟まっているのはバチスト氏手製の作家紹介!絵本を知る際の一助になります。

しかし、タイトルだけだと実際のその絵本がどんな内容かは、なかなか分かりません。

そんな時、本を開くきっかけになるのが表紙の絵!言語が分からないからこそ、純粋に絵を楽しみ絵本を選ぶことができるのです!

ところで、絵本に書いてある文字というのは想像以上に私たちの目を惹きつけているもの。そんな文字の魔力をお伝えするべく、ここで皆さんに1つ質問です!

Q:この絵本の表紙を見て、印象に残ったところはどこでしょうか?

くんちゃんシリーズの一冊『くんちゃんはおおいそがし』。バチスト氏がお店で紹介する良い絵本の代表作と語る往年の名作です。

ほうきを持つくまさん(くんちゃん)。集められた落ち葉と秋を感じさせる木。タイトルと作者。目を留めたところは、人によって様々でしょう。

ですが、皆さん!木の上に乗ったリスには気が付きましたか? (私は気がつきませんでした……)

このリスに気がつくのは、文字がまだ読めない子どもたちだといいます。文字が読めないからこそ、絵で描かれた世界に全集中できるのです!これはとても貴重な時間で、バチスト氏は「魔法の時間」なのだと教えてくれました。(一般的に4〜5歳で字が読めるようになるので、魔法の時間はおおよそ3歳までの期間です)

そして、大人になってからでもそんな「魔法の時間」を私たちに与えてくれるのが外国の絵本です!

絵だけに集中できることで、一味違う絵本の世界に没入できる外国絵本の世界!ぜひ、MAINTENTで覗いてみてください!

一癖も二癖もありまくり!海をこえた外国の絵本たち

ここからはMAINTENTにある外国の絵本の中でも、少し癖の強い絵本たちを紹介します!

エントリーno.1 読むだけが絵本じゃない!

まずは、色使いがカラフルなこちら!

なにやら、ピエロとサーカスの仲間たちがいる様子。顔の表情がなんとも言えません……!

サーカスのドタバタ劇を描いた絵本かと思えば、なんと!開くと立体的なサーカスの舞台になる一冊!!

大きすぎて開いた写真を撮ることはできませんでした……。無念。

お人形と共にサーカスごっこをするもよし、サーカスの演目を楽しむもよし!遊び方は無限大です!!

エントリーno.2 チェコの本

お次は、物語自体はみなさんも知っているであろうこちらの作品!

真ん中に鎮座する脳みそと赤色が目を惹くこちらの絵本は、『ガリバー旅行記』のチェコバージョン!

厳密には児童書なのですが、チェコ語が読めない私たちにはほぼ絵本!表紙と同じタッチの挿絵がガリバーの世界へと連れて行ってくれます。他に類を見ないような、深い赤と不気味さを覚えるようなタッチの絵。もしかしたら、ガリバーはとんでもない世界を旅していたのかもしれません。

ちなみに、MAINTENTでは東ヨーロッパの絵本が充実しているのですが、そのきっかけとなったのがチェコの絵本だそうです!

こちらもチェコ絵本。さっきとは打って変わってかわいい感じ。絵本のかわいさ以外の魅力も知っていたため、昔は一部のチェコ絵本の持つ可愛さがむしろあまり好きじゃなかったと語るバチスト氏。しかし、だからこそ興味があり、実際にチェコに行くとチェコ絵本の世界にハマっていったのだとか!

エントリーno.3 いたずらの究極形態!?

最後の絵本はこちら!

あれ?切り絵風の表紙ですが、目を凝らすと何か違和感が……?

それもそのはず。こちらの本、なんと表紙は元の所有者による自作!

なぜ、表紙を自作するに至ったのか、その経緯は不明ですが味のある一冊です!果たして、表紙は汚してしまったのか、気に入らなかったのか、外れてしまったのか……。理由が気になりすぎます!!

バチスト氏によると外国の絵本にはいたずら書きが多いそうですが、この本は究極形態ともいえるでしょう!前の人から継がれてきたバックボーンが見られる古本だからこそ出会えるものですね。

おわりに

古今東西の絵本が、時代を超えて集まるMAINTENT。

絵本に囲まれて育ち、子どもの頃から0歳から100歳までの絵本に触れてきた絵本蒐集家フランソワ・バチスト氏が、今度は私たちに生涯の絵本体験を与えてくれます。

2回に分けてお話を伺っていく中で、改めて絵本の魅力を知ることができました!

吉祥寺に訪れた際は、ぜひ子どもも大人も絵本の世界に足を運んでみてはいかがでしょうか?