こぎん刺しが好きになる!「こぎんのにわ」で個性豊かな針と糸の世界へ!かわいい作品展示だけでなくワークショップもあります。

みなさん、「こぎん刺し」って知っていますか? こぎん刺しとは、江戸時代から続く刺し子(刺繍)の技法です。江戸時代と聞くと渋い民芸品を思い浮かべるかもしれませんが、いえいえ、こぎん刺しはかわいくも、美しくも、かっこよくもなる素敵な刺繍。 来たる11月3日(祝・金)4日(土)、そんなこぎん刺しに情熱を注ぐ個性豊かなこぎん刺し作家5人組Kogin Tokyoさんのグループ展「こぎんのにわ」が開催されます。 こぎん刺しの魅力満載の作品の展示、販売だけでなく、こぎん刺しってなぁに?という人も参加OKのワークショップもあります!

日程:2023年11月3日(祝・金)4日(土)11:00-18:00 場所:シェアスペース「マジェルカ」(吉祥寺中道通り、吉祥寺駅から徒歩8分)

kogin_tokyo

こぎん刺し作家グループ「Kogin Tokyo」のグループ展「こぎんのにわ」のご案内ページです https://756t7.hp.peraichi.com/

今回「こぎんのにわ」開催を間近に控えたKogin Tokyoさんにお話をうかがってきました。

こぎんのにわ公式HPhttps://756t7.hp.peraichi.com/より引用
伝統的な模様を刺したコースター。
手作業とは思えない規則正しい刺し目。

初のグループ展は吉祥寺のイメージが決め手!5人5色のKogin Tokyo。

吉祥寺に住んでいる人や遊びに来る人は「知らないことにも興味をもってワクワクしてくれそう・こぎん刺しを見たら、なんだろう?と知ろうとしてくれそう」というイメージを持っているというKogin Tokyoの皆さん。こぎん刺しを知らない人にも美しく自由なこの世界を楽しんでもらえたら!と、今回、吉祥寺での開催を決めたそうです。取材前は「元々器用で手芸や細かい作業が得意な方しか、こぎん刺しはできるようにならないよね」と思っていましたが、実際にお話を聞くと「全然!そんなことないんですよ。」というお返事が。なんと、今回のグループ展を開催する5人の出会いはカルチャースクールだったとのこと。こぎん刺しの世界では第一人者のひとりと言われる山端家昌(やまはし いえまさ)さんが講師を担当していたクラスで生徒同士だったのが始まりで、こぎん刺しを始めたきっかけも「手芸屋さんで売ってた刺繍キットを見て、可愛いし簡単そう!と思って」「本を読んでみたらやってみたいなと思った」と軽い気持ちだったそう。中には「まさに吉祥寺のユザワヤ!そこでキットを買ったんです!」というメンバーも! 現在はみなさんスクールを卒業され、お仕事や育児などをしながらこぎん刺しの活動をされています。

山端家昌(やまはた いえまさ)さん

グラフィックデザイナーである山端さんは高校時代に津軽こぎん刺し着物に衝撃を受け、その魅力を発信するため模様の研究・応用に取り組んでいます。多くの企業とコラボし、デザイン、監修、講師などで活躍。メディアにも取り上げられ、こぎん刺しの第一人者として知られています。

現代に生きるこぎん模様「kogin」

青森県津軽地方の伝統的な刺し子「津軽こぎん刺し」の魅力を、現代に生きるこぎん模様「kogin」を通して世界へ向け発信しています。 https://kogin.net/

Kogin Tokyoメンバー

キノコファクトリー

mishida135

nini in blueforest

PECORA

yuka*works

同じこぎん刺しでも選ぶ布地や糸の色、柄の配置によって作り手の個性が表現されています。モチーフの違いはもちろんですが、糸の刺し方ひとつとっても、緩めに通すとポコポコとした温かみのある雰囲気に、きつめにしっかり通していくときちっと鋭くカッコイイ印象にと、糸を通す強さを調節をするだけでも仕上がりが違ってきます。それぞれの作家さんが持つ個性と技術を同時に楽しめるのも、グループ展の醍醐味ですね!

11月3日(祝・金)4日(土)展示、販売だけでなくワークショップも開催!

丁寧に仕上げられた作品が並ぶKogin Tokyoの「こぎんのにわ」。刺すという作業は細かいものの、一定の方向に刺していく、玉止めをしない、麻の布目に沿って刺すから刺しやすいという点で「気負わずに挑戦しやすいし、コースターなど小さいものは、すぐに達成感を味わえますよ!」とメンバーの皆さんが笑って話してくれました。昔と違って今は糸や布の種類も色も多く、とーーーっても自由度が高いこぎん刺し。昔ながらの伝統的な柄をカラフルに仕立てたり、自分なりにアレンジして刺してみたり、それぞれの刺し手さんが楽しみながら熱中する気持ちが作品からも伝わります。

こぎん刺し用の長めの針を使います。

11月3日(祝・金)4日(土)はワークショップやmishida135さんオリジナル「こぎんかるた」のかるた大会も! 子どもから大人まで楽しめるここだけのイベントです!

<11月3日(祝・金)ワークショップスケジュール>

11:30〜(15分〜30分) mishida135  「こぎんかるた大会」

13:30〜15:00 キノコファクトリー  「カラフルな色合わせが楽しい フレームづくり」

16:00〜17:30 nini in blueforest  「こぎんカップスリーブorこぎんミニブーツ作り体験」

<11月4日(土)ワークショップスケジュール>

11:30〜(15分〜30分) mishida135  「こぎんかるた大会」

13:30〜15:00 nini in blueforest  「こぎんカップスリーブorこぎんミニブーツ作り体験」

16:00〜17:30 キノコファクトリー   「カラフルな色合わせが楽しい フレームづくり」

※キノコファクトリー   「カラフルな色合わせが楽しい フレームづくり」は各回3名まで予約優先となります。ご予約は@kinokofactoryまで。

※nini in blueforest  こぎんカップスリーブorこぎんミニブーツ作り体験は各日4名まで予約優先となります。ご予約はnini kogin contactフォーム、もしくはインスタグラムDMで受付け。

カラフルな色合わせが楽しい フレームづくり 
こぎんカップスリーブorこぎんミニブーツ作り体験
こぎんかるた

歴史ある民芸「こぎん刺し」とは?

民藝運動の父と呼ばれた柳宗悦が「名も無い津軽の女達よ、良く是程(これほど)のものを遺してくれた。虐げられた禁制のなかで是程の美しいものを産んでくれた」と称賛したというこぎん刺し。元々は風を通しやすい麻布の補強の為、着物にして身につけた時には防寒、保温にもなるようにと昔の人の知恵から始まったと言われています。

今から約400年以上前の江戸時代、本州の最北に位置する津軽地方がこぎん刺し発祥の地だと言われています。当時、津軽は綿の栽培に適さず麻の栽培が推奨されており、農民は木綿や高価な色染めの着物を着ることを禁じられていました。農民たちは、目の粗い麻の生地を藍染したものしか身につけられなかったので、温かい空気が少しでも服にこもるように、繊細な麻がすぐに擦り切れてしまわないように、刺し子を施(ほどこ)し始めました。当初は麻糸で刺されていましたが明治時代に入ると木綿の着用が解禁となり、滑りがよく刺しやすいことから、藍色の麻布に白い木綿糸で刺すのが定番となりました。これが現在のこぎん刺しの原型です。寒い青森の冬、きっと昔の女性達は、おうちで家族とおしゃべりしながら、近所のお友達と世間話に花を咲かせながら、こぎん刺しをしていたのでしょう。その後は次第に模様刺しをする人が増え、作り手同士でそれぞれ刺したものを見合ったり、デザインを競いあったりしながら、刺し手の技術が上がっていきました。時代の流れと共に、生活に馴染んだものをモチーフにした模様が次々と生まれて、現代へ繋がったということです。今も、縦と横の布目を刺していく技法はそのままですが、ひし形の伝統的な柄を組み合わせたり、新たに柄が生まれたりと、こぎん刺しは伝統を守りながら発展し続けています。

昔も今も変わらないこぎん刺しの美しさを、これからも伝え続けたい。

じっくり布を見ていると、慣れるまでは少し目がチカチカしてしまいそうですが、こぎん刺しを続けていると「メッシュになっているものを見ると、刺せそう〜!って思ってしまうんです!」とメンバーの皆さんがお話してくださいました。思わずみんなで笑ってしまいましたが、こぎん刺しあるあるだそうで「網戸とかテニスラケットとかね!」と網目を見るとついつい布目が浮かんでしまうそうです。Kogin Tokyoのみなさんが各々の制作を楽しみながら仲良く作品づくりをしているのが伝わってきました。実際に作業をしている時も「こんな柄どう?」「この色を組み合わせてみたらいい感じ!」とワクワクしながら取り組んでいるとのこと。作品を中心に活気と穏やかさが同時に味わえるような和気あいあいとした雰囲気は、きっと昔も今も変わらないのだろうと思います。江戸時代から続く民芸は、その作品だけでなく作品でつながる作り手さんたちの楽しむ想いも繋いでくれていますね。

Kogin Tokyoのみなさんから、「当日来場された方には疑問があればなんでも聞いてほしいし、たくさん話しかけてください!」と、メッセージをいただきました。

会場にはメンバー5人の合作であるラグの展示や簡単なこぎん刺しキットも販売されています。

こぎん刺しの完璧さと美しさをこれからも紡いでいきたい、たくさんの人に知ってもらいたいという気持ちがつまった「こぎんのにわ」。個性豊かなこぎん刺しの世界で、ぜひ新たな発見と出会いをお楽しみくださいね!

Kogin Tokyo グループ展「こぎんのにわ」

東京で活動するこぎん刺し作家5人からなる「こぎんのにわ」初のグループ展を、東京・吉祥寺中道通りのシェアスペースマジェルカにて開催いたします。こぎん刺しの伝統的な手法はそのままに、現代の暮らしに合う新たな魅力を生み出そうと活動しています。グループ展「こぎんのにわ」では、小さなお庭に5人5色の花を咲かせるように、個性豊かなこぎん刺し作品を持ち寄り、展示のほか、販売や受注、ワークショップなどを行います。 こぎん刺しファンの方はもちろん、「こぎん刺しって何?」という方にも楽しんでいただける、かわいくて、美しくて、かっこよくて、自由な、こぎん刺しの世界をお届けします。

  • 開催日
    11月3日(金) 11月4日(土)
    時間
    11時~18時
  • 料金など
    入場無料
    お問い合わせ
    宇治・石田 kogintokyo2023@gmail.com
    会場

    マジェルカレンタルスペース

    180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町3-3-11 中田ビル1階

    JR・京王井の頭線「吉祥寺駅」徒歩6分

  • 出演
    【作家】 キノコファクトリー PECORA mishida135 yuka*works nini in blueforest
  • 主催
    Kogin Tokyo