100年以上の歴史を持つ吉祥寺の酒屋「大阪屋」。こだわりのお酒が並ぶ店内はお酒好きの方にも初めてお酒を知る人にもオススメです!

去年2023年に100周年を迎えた大阪屋酒店。1923年創業の大阪屋は吉祥寺北町で日本酒、本格焼酎、ワインを中心に販売している酒屋です。

大阪屋は貫禄がありながらもモダンな雰囲気が漂う店構え。店の前を通る人の目を引きます。

「お酒の楽しさ、お酒がつなげてくれる人と人、生活の中にお酒があるということの豊かさを伝えていくために日々努力しています。更に願わくば蔵元が丁寧に丁寧に想いを込めたお酒を飲んでいただければ幸いです。(大阪屋ホームページより引用)」という想いを掲げる老舗酒屋の大阪屋。現在の店主である沼さんにお話を伺ってきました。

ご先祖様の旅した時のお宿の名前が「大阪屋」

吉祥寺で大阪屋と聞くと、大阪という土地となんらか関係があるのでは? と思ってしまいますが「それが、全然関係ないんです」と話しはじめてくれたのは、大阪屋の店主、沼さん。「先祖が新潟の柿崎から東京に来る途中、泊めてさせてもらった宿の名前が“大阪屋”だったそうです。」と、なんとお世話になった宿の名前をもらい、その名前が今も引き継がれているとのこと。

ご先祖さまがお世話になった宿の“大阪屋”は食事や寝床を準備してくれ、商売のノウハウも教えてくれたそう。お店の名前に宿への感謝の気持ちが込められています。

大阪屋店舗の中はなかなかお目にかかれないお酒がズラリ

それではお店の中を見ていきましょう!

入口を入るとすぐに目に飛び込んでくるのは、GLOW(グロー)の集団! 一見ワインに見えるパッケージですがこれは芋焼酎。沼さんもオススメと教えてくれたので、詳しくは後ほど他のオススメ商品と一緒にご紹介します。

冷蔵ゾーンにもズラリ。本当にたくさんの種類が並んでいます。

1つ1つに手書きのタグがついています。お店で取り扱うお酒があまりにも多く、把握するだけでも大変なのではと思いましたが「店にあるすべてのお酒の味を説明できます」と沼さん。酒蔵や製造方法の知識だけではなく味を言葉で表現してくれるのは大阪屋ならでは。

ワインコーナーにもこだわりのボトルがたくさん。スーパーやコンビニでは見たことのないワインが多く並んでいました。中身の美味しさはもちろんオシャレなラベルはギフトにもぴったりです。

ウイスキーは試飲できるコーナーも! ウイスキー好きの方は香りや飲んだ後の余韻を大事にする方が多いのではないでしょうか。味わってから購入できるので自分好みの逸品に出会えそうです。

お酒を見ているとラベルのデザインやタグの情報が次々の目に入り、あっという間に時間が流れていきます。お酒を選びながら大切な人を思い浮かべたり、季節のイベントに合わせることを考えたり、おつまみとの組み合わせを想像したり・・・大阪屋のようにお酒に本気で向かい合っている酒屋はお酒を選ぶ時間も充実させてくれます。

店主さんオススメの日本酒・焼酎

さて、多くのお酒がある中での今の(2024年5月18日時点)オススメ商品を教えてもらいました。

日本酒のオススメ3選

町田酒造(製造者:株式会社町田酒造店)

兵庫県産山田錦100%使用の純米吟醸。ラベルにある直汲みとは日本酒を搾った後すぐに瓶詰めする製法のこと。出来立てのお酒を空気に触れさせないように瓶詰めします。通常は搾った後何日か経ってから瓶詰めされますが、直汲みでは搾った直後の一番新鮮な酒を楽しむことができます。町田酒造の直汲みはアルコール発酵の炭酸が残っていて、軽めの日本酒。パイナップルのような香りが楽しめます。

角右衛門(製造:株式会社木村酒造)

一穂積100%を使った純米吟醸。メロンやバナナのような甘みと酸味のバランスが良い日本酒。食事との相性も良く、キレがあり食が進みます。

FOMALHAUT(製造:阿部酒造株式会社)

日本酒の仕込み水を日本酒に代えて造る貴醸酒。貴醸酒は日本酒造りの工程で、米に含まれる糖を酵母が分解してアルコールに変える際に、水の代わりに酒で仕込むことで、本来分解されるはずの糖分が残ります。貴醸酒はその糖分により濃厚な甘さがでるのが特徴。FOMALHAUT(フォーマルハウト)は濃厚な甘さがあり、口の中でほどけていくような味わいを感じることができます。

焼酎のオススメ3選

あさぎりの花(製造:合資会社高田酒造場)

日本酒のような飲みやすさがある米焼酎。あさぎりの花に使われている酵母は世界で初めて花から採取された野生の酵母菌を使っています。パイナップルや青りんごのようなトロピカル感が味わえる新しい焼酎。お店の店頭でも推していましたよ!

㐂六(製造:株式会社黒木本店)

宮崎県児湯郡の芋と米を使った芋焼酎。芋の品種は黄金千貫が使われています。㐂六(きろく)の「㐂」の字は昔使われていた「喜」の字。風味が程よく甘みが豊かでバランスがとても良い芋焼酎です。

GLOW(製造:若潮酒造株式会社)

香りが華やかな芋焼酎のGLOW(グロウ)。全国の酒販店が「その年にもっともお客さんに薦めたい焼酎」を選び、テイスティング審査によって対象を決定する「酒屋が選ぶ焼酎大賞」にて2年連続で大賞に選ばれた逸品です。

店主の奥様オススメのワイン

最近よく聞く「オーガニックワイン」や「ナチュラルワイン」。2つの違いはブドウの栽培方法やワインの醸造工程での差があるそうです。このオーガニックワインやナチュラルワインについての知識を深めているのは、店主の奥様。ワインについては奥様のオススメを聞いてきました!

BARSLINA(輸入者:株式会社ヴィナイオータ)

「トリンケーロのラインナップは何を飲んでも美味しいんです!」と目を輝かせて教えてくれた奥様。BARSLINA(バルスリーナ)は甘さやジューシーさがあり、酸味とのバランスも◎な赤ワイン! 食事との相性も良く、食べ合わせしやすいそうです。

ちなみに、取材時に奥様が着ていたのはヴィナイオータTシャツでした!

Camillo Donati(輸入者:株式会社ヴィナイオータ)

穏やかで素朴な味わいの白ワインCamillo Donati(カミッロドナーティ)は義捐ワインです。株式会社ヴィナイオータの企画でスタートした義捐ワインプロジェクト。造り手、輸入者、酒販店、飲食店、そして飲み手、みんなの想いをつなげて被災地域の方々にエールを送ります。

Blonde by nature(輸入業者:株式会社日本グランド・シャンパーニュ

Blonde by nature(ブロンドバイナチュレ)はまるでマンゴージュースのようなオレンジワイン。後からくるグレープフルーツのようなさわやかな苦みが美味しいと評判です。新しいオレンジワインに出会いたい方にオススメ!

100年以上続いていても“今”も大事にする店主 沼さんの想い

店主の沼さんは「食事との相性や、その日の気分によってお酒を選ぶのは生活を彩るエッセンスにもなります。」と話します。続けて「もちろん飲み過ぎは良くないですが、お酒をきれいに飲めるって大人としてかっこいいですよね。なので、お酒の正しい知識はしっかり身につけていますよ。今はその知識をSNSを通して広めたりもしています。」と、100年以上続く歴史を持ちながらも、今までのやり方だけには留まらず時代の流れに合わせた情報発信をするなど工夫することは忘れないでいたいと教えてくれました。

吉祥寺の酒屋 大阪屋酒店のSAKEチャンネル

大阪屋酒店インスタグラム@osakayasaketen

「若い世代がお酒を飲まなくなってきているとか、日本酒や焼酎が敬遠されるのも分かります。今はお酒を飲むこと以外にも楽しいことがたくさん溢れてますから。」と、時代の変化や空気を理解しながらも「やっぱり美味しくお酒を飲んでくれて、大阪屋に通い続けてくれる方もたくさんいらっしゃいますから。誇りを持って仕事をしています!」と笑顔で話す沼さんからは仕事への熱意と気合いがビシビシ伝わってきました。

去年の100周年にはたくさんのお祝いも届いたそうで、店内でもお祝いの記念のお酒を見ることができます。

いつかタイミングをみて飲むんですか? と質問すると「いや〜、もったいなくて飲めませんよ。本当に嬉しい大切なお酒です。」と目を細めてお祝いのお酒を見つめていました。その姿からもお酒の造り手さんへの敬意と信頼を感じました。

自分の好みに合わせたお酒をセレクトしてくれる大阪屋

お酒が好きな人も、初めてお酒を飲む人も、好みの食事などを伝えると親身に相談に乗ってくれる大阪屋のみなさん。「普通の人よりお酒は弱いんです」の言葉に、またまた〜! 酒屋さんの弱いは普通の弱いではないのでは? と聞いたところ「本当に本当に。味はしっかりテイスティングしますが、そんなにたくさんは飲めない、飲ませ上手ではありますけど。笑」と笑って話してくれました。

また、大阪屋では店頭で角打ちもやっています!

角打ちとは酒屋の一角を飲酒スペースとして仕切り、立ち飲みできる場所のこと。

キリッと飲んでふわっと気分をリラックスさせて、美味しい出会いを楽しんでくださいね。

トレンドのお酒やギフトや特別な日の1本など、大阪屋を通してだからこそのお酒を選んでみてください。みなさんの日々の生活のエッセンスになるような、お気に入りの1杯とめぐり逢えてもらえたら嬉しいです。

【写真=編集部撮影】

20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。

大阪屋酒店

1923年創業の吉祥寺でこだわりの日本酒、本格焼酎、ワインを中心に販売しております。 お酒の楽しさ、お酒がつなげてくれる人と人、 生活の中にお酒があるということの豊かさを伝えていくために日々努力しています。 更に願わくば蔵元が丁寧に丁寧に想いを込めたお酒を飲んでいただければ幸いです。