芸術の秋!REIKO SHIMOGAMA@GALLERY IROで抽象画を楽しみ色彩の奥深さに触れてセンスを磨こう!

厳しい暑さも落ち着いて、空もだんだんと秋めいてきました。いつもの景色の中で、木の葉が色づいていくのに目を奪われたり、なんだかやる気が湧いてきたり、変化を楽しみながら過ごせる季節が始まります。「食欲の秋、運動の秋、芸術の秋」と昔から言われていますが、どれも夏のダメージから体や心を回復させるために必要とされる大事な要素。吉祥寺には、秋の味覚を堪能できる美味しいお店や、身体のメンテナンスができるパーソナルジム、そしてたくさんのギャラリーがあります。秋を満喫するのにはうってつけの場所といって良いでしょう。パワフルに過ごした夏からひと段落し、慌ただしい冬に突入する前にゆったり時間をかけて季節を楽しみ、自分の為に時間を使う秋にしてみませんか? 今回は芸術の秋にスポットを当てて下釜怜子さんの個展をご紹介します。

下釜 怜子さん
前回の個展での作品 © GALLERY IRO

気軽にアートを楽しめる五日市街道沿いのGALLERY IROで自分の色彩感覚に刺激を。

前回の個展での展示 © GALLERY IRO

たくさんのギャラリーで賑わう吉祥寺ですが、GALLERY IRO(ギャラリー イロ)は吉祥寺駅から徒歩7分の五日市街道の通り沿いに面した大きな窓が目印のギャラリーです。白を基調としたシンプルな空間で明るく開放的なのに落ち着いた雰囲気が人気。ギャラリーは初めてという方もふらっと気軽に入れます。そんなGALLERY IROで、2023年10月5日(木)~8日(日)に下釜怜子さんの個展が開催されます。タイトルは「vönd(ヴォンド)」、テーマとして掲げるのは「モノクロームとカラフルな色彩 – 色は雄弁に語る 世界に暮らす無数の人々と同じ息遣いで」。とっても真面目に絵を描くことに向き合っている下釜さんですが、今回の個展案内の葉書ではウムラウト( o の文字の上にある点々)が絵と重なっていて、遊び心があるような表現もしています。IROでの個展は2回目という下釜さんに、タイトルやテーマ、作品へ込めた想いをうかがいました。

個展案内の葉書

――2回目の個展開催おめでとうございます。今回の個展のタイトルである「vönd」とは、どんな想いと結びついて生まれたタイトルでしょうか?――

「vönd」はアイスランド語で「花束」という意味なんです。モノクロームの絵のタイトルを考えていた時に絵の構成が花束のように見えたというのと、その時たまたま聴いていたアイスランドの曲のクールなイメージが重なったので、アイスランド語での「花束」をタイトルにしようと思いました。色彩の多様性を表す言葉としての「花束」が今回の個展にぴったりだと感じています。

――色彩の多様性を表しているのは「モノクロームとカラフルな色彩 – 色は雄弁に語る 世界に暮らす無数の人々と同じ息遣いで」というテーマからも想像しやすいですね。この言葉選びからも想像力のスイッチを押される感覚があります。モノクロームとカラフルという対照的な2つを並べたのにはどのような意図がありますか?――

もともと私の作品はカラフルなものが多かったのですが、彩度がとても低い色を使って色彩を表現してみたいという興味が湧き、去年あたりからモノクロームの作品を描いてきました。「色彩」と聞くと、私もそうですが、カラフルな色をまず想像すると思うんです。モノクロームの作品を描くに連れて、色彩とは、多様な世界だということを改めて実感し、また、色彩の雄弁さに驚きました。今回はモノクロームとカラフルという色の個性に焦点を当てて制作しましたので、色の奥深さをご覧いただければと思います。

前回の個展での作品 © GALLERY IRO
前回の個展での作品 © GALLERY IRO

カラフルとモノクロのように相反するものの性質を捉えたり対比を意識したりするという方は、ほとんどいないのではないでしょうか。下釜さんの作品に触れ、色を感じることで、自分でも気がついていなかったセンスや好みを発見できるかもしれません。日常生活ではなかなか体験できない素敵な時間が過ごせそうです。「これ可愛い!」「あれは素敵だった!」という気持ちは誰もが持っている感覚。その感覚を改めて刺激してみるというのが自分のセンスを磨いていくことにつながるのかもしれませんね。

抽象画の楽しみ方は自由!作品そのものだけでなく、栞やマグカップで楽しむことも!

今回の下釜さんの作品は抽象画という種類の絵になります。抽象画とは写実的な表現をしない非具象的な絵画のことで、点、色彩、形、線といった要素がアーティストの感性や考えにより表現されている絵のことです。抽象画と聞くと「どうやって鑑賞すれば良いの?」「何が描いてあるの?」という意見も耳にしますが、実は絵画のことはよくわからないという人でも楽しみやすいのが抽象画。絵を見て自分だけが感じた感情を乗せて眺めたり、作品のテーマに沿った思考を巡らせることで自分の考えを深めたりすることもできます。また、逆に何も考えず鑑賞して、ただただ色や形に癒されるというのも素敵な楽しみ方ではないでしょうか。

引き続き、お話を伺います。

――作品制作だけでなく、展示に関わる制作物や作業も全てご自身で行っているのですか?――

葉書のデザインやホームページの制作なども自分で行っています。私はデザイナーではないので、デザインの基本やルールなどはこれから勉強していきたいところです。
今回の個展の会場となるGALLERY IROは数年前に初めて足を運んだ際に「気さくでリラックスできる場所」という印象を受けました。開放的で大きな窓と雰囲気が気に入って、去年、初個展を開催させていただきました。作品の鑑賞や購入だけではなく、来てくださる方々が気軽にお土産やプレゼントとして個展の思い出を持ち帰れるよう、オリジナルのマグカップや栞を制作し、販売しています。今回の個展「vönd 」でも新作のマグカップや切手を新たに加えたので、そちらもぜひご覧くださいね。

前回の個展で販売されたマグカップ © GALLERY IRO
前回の個展で販売された栞 © GALLERY IRO

REIKO SHIMOGAMAの作品で自分の素直な感覚に向き合う。絵は自分の心の鏡!

――画家になるきっかけとなった出来事はありますか?――

小学生の頃は、漫画を描いたり、ドールハウスを作ったりすることが好きで、将来はドールハウス作家になりたかったのですが、中学生の頃、選択授業で美術を選んだ際に、油絵を学ぶ機会に恵まれました。それがきっかけで、中学・高校とずっと油絵を描いてきたので、自然と、美大の油画専攻を目指すようになりました。気が付くと抽象画にのめり込んでいましたね。

――自分の世界を膨らませていけても、それを表現するというのはなかなか難しそうです。どのような心持ちで制作しているのですか?――

制作中は比較的、淡々と冷静になっていることが多いですね。それでも制作の度に新たな発見があります。去年、乗馬を数ヶ月習ったのですが、手綱を引くことや馬の動きに合わせて膝を屈伸させるなどの、一見すると制作とは関係ない経験が、制作中の判断に役立つことがあり、それはとても新鮮な気づきでした。例えば、手綱を引っ張ると馬は止まるのですが、その緩急のリズムなどが、制作中の筆運びの緩急や色彩の強弱に役立ったりしています。

前回の個展での作品 © GALLERY IRO
前回の個展での作品 © GALLERY IRO
前回の個展での作品 © GALLERY IRO

下釜さんはインスタグラムでもたくさんの作品と共に、作品に対する想いを綴っています。「作品は思想を超えていないといけない」「伝われという熱い気持ちと 押し付けにならないための冷めた気持ちを 両手に手綱を握るようにして描く」1つ1つの言葉から、絵に向けた熱意と真剣さ、そして作品を見る人への思いやりが伝わります。繊細だけどやわじゃない、抽象的でも意思がある。そんな印象を受ける下釜さんの作品です。そして今回、何度も同じ絵を見る機会をもらい、自分の気分や状況によっても見え方やテーマへの考え方が変わっていくということを実感しました。抽象画の鑑賞は自分の心を反映してくれるものなのかもしれません。家に鏡を置くのと同じように、お気に入りの絵を飾って、自身の内面の変化に気づけるようになったり、自分の成長を感じたり、長く素直に向き合っていけるのも絵との楽しい付き合い方ではないでしょうか。下釜さんの個展は10月5日から8日まで。11月2日から5日までは同ギャラリーで二人展も開催予定です。ぜひ実物をご覧いただき、色の重なりや筆跡のリズムなどをお楽しみください。

下釜怜子さん

REIKO SHIMOGAMA SOLO EXHIBITION 2023 vönd / 下釜怜子個展「vönd(ヴォンド)」

下釜怜子さんによる個展「vönd-モノクロームとカラフルな色彩 – 色は雄弁に語る 世界に暮らす無数の人々と同じ息遣いで」

  • 開催日
    2023年10月5日~10月8日
    時間
    11時~16時
  • 会場

    GALLERY IRO(ギャラリー イロ)

    〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-37-7-101

    吉祥寺駅より西荻窪方面へ歩いて7分程度、五日市街道沿い。

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