オーボエ奏者の登竜門「国際オーボエコンクール」5年ぶりに開催。日本からは榎かぐやさんが入賞

先週末の2023年10月8日(日)、国際オーボエコンクールが武蔵野市民文化会館をメイン会場として開催されました。1985年より公益財団法人ソニー音楽財団が3年毎に開催している本コンクールは、初代財団理事長で優れたバリトン歌手でもあった大賀典雄(1930-2011)の発案で始められたもの。3年ごとに開催されており、前回(第13回)は新型コロナウイルスの影響で延期され、今年5年ぶりの開催となりました。

本コンクールは、優れたオーボエ奏者の登竜門として世界的に知られています。オーボエだけの国際コンクールというのは珍しく、また、歴史もあり、過去の入賞者から世界の超一流オーケストラの首席奏者なども輩出しており、国際的に高い評価を得ています。

今年の4月(動画審査)から始まった予備審査、8月の一次審査(動画審査)を経て、二次予選が、武蔵野市民文化会館小ホールで2023年10月3日(火)・5日(木)・6日(金)に、本選と表彰式は2023年10月8日(日)に武蔵野市民文化会館大ホールで開催されました。第2次予選と本選の模様は、国際オーボエコンクール公式Youtubeチャンネルでアーカイブ映像の配信が予定されています。

https://www.youtube.com/@oboe_2023

本選翌日10月9日(月・祝)には武蔵野市民文化会館大ホールで入賞者&審査委員コンサートが行われ、全日程が終了。日本からは榎かぐやさんが入賞されました。今後の活躍に期待しましょう!

  • 第1位[大賀賞]
    Ángel Luis Sánchez Moreno アンヘル・ルイス・サンチェス=モレノ (Spain)
  • 第2位
    Hyun Jung Song ソン・ヒョンジョン (South Korea)
  • 第3位
    Leonid Surkov レオニードゥ・スルコフ (Russian Federation)
  • 入賞
    Alexander Krimer アレクサンダー・クリメル (Germany)
    Kaguya Enoki 榎かぐや (Japan)
    Javier Ayala ハビエル・アヤラ  (Spain)
  • 聴衆賞
    Ángel Luis Sánchez Moreno アンヘル・ルイス・サンチェス=モレノ (Spain)
  • 奨励賞
    Kaguya Enoki 榎かぐや (Japan)
https://www.youtube.com/watch?v=CJ43x8brVFk
榎かぐやさんの演奏の様子(一次審査時)

オーボエってどんな楽器?

オーボエは、元をたどるとシンプルな葦笛(あしぶえ)です。乾燥させた葦を削ったものを二枚重ね合わせて(ダブルリード)作られた楽器です。ヨーロッパ、中近東で発達し、中世からルネッサンス期のヨーロッパで隆盛したショームという楽器が起源といわれています。17世紀に入ると改良され現代に繋がっていきます。 そのためフランス語の「オー(高い音)」「ボワ(木)」=オーボワ(hautbois)がオーボエになって、現代の名称になっています。

今はもう知っている人が少なくなっていると思いますが、実は、昔のラーメン屋台が呼び込みに使っていたチェルメラもオーボエの仲間です!その他、オーボエの仲間には、オーボエ・ダモーレ:愛のオーボエ、オーボエ・ダ・カッチャ:狩りのオーボエ、イングリッシュ・ホルン(コールアングレ):イギリスのオーボエ等々、様々な仲間があります。オーケストラや吹奏楽で活躍しています。それぞれ、甘い音、勇ましい音、哀愁を帯びた音など、特徴があります。