民謡クルセイダーズが武蔵野市民文化会館にやってくる!ワンマンライブ開催記念!リーダー・ギタリスト田中克海さんインタビュー

突然ですが、みなさんは民謡についてどんなイメージを持っていますか? 日本の伝統的な音楽である民謡。そんな民謡で世界各地を盛り上げるバンド、それが民謡クルセイダーズなんです! 2024年7月16日に放送された「うたコン(NHK)」の出演や「天才てれびくん(Eテレ)」の人気音楽企画 MTK(Music Terebi Kun)のオリジナルソング『ちぃあわせ音頭』のリリース、2024年6月にはヨーロッパツアーで4ヶ国を巡るなど大活躍中のバンドです。

そんな民謡クルセイダーズが2024年8月4日(日)に武蔵野市民文化会館大ホールにやってくる! 今回は民謡クルセイダーズワンマンライブ開催を記念して、リーダーでギタリストの田中克海さんにインタビューを行いました。

『ちぃあわせ音頭』ミュージックビデオ

民謡クルセイダーズのはじまりはパーティーから

民謡クルセイダーズ(通称:民クル)は福生在住のギタリスト、田中克海さんと民謡歌手のフレディ塚本さんを中心に2011年に結成。日本民謡とラテンリズムを融合させた楽曲が人気のバンドです。現在主なメンバーは7名で、サポートメンバーを含めたフルメンバーはなんと12名の大所帯バンド! 民クル結成のお話を聞かせてもらいました。

「フレディさんと出会って民謡をやろうかってなったのが2011年なんです。始めたきっかけは、今も住んでいる福生で行われたパーティー。イベントのために余興でバンドをやるみたいな形でした。その時はドラァグクイーンのコウちゃんって人が昭和歌謡を歌って、半分フレディさんが民謡を歌う感じでしたね。民謡クルセイダーズって名前もまだなくて」と田中さん。

民クルのライブはお客さんも一緒に盛り上がるスタイルですが、最初の頃からパーティーを盛り上げる役目があったんですね!

「民謡だとなんとなくみんな知っていたりして、合いの手ももらったりして。これは楽しそうだぞ!と。それで、フレディさんがボーカルで民謡だけに特化しようとなりましたね。アレンジも今みたいなラテン調じゃなくて、ブルースっぽい感じもやったりしました。」

バンドを構成する要素としてよく知られているのはギター、ベース、ドラムの3つ。スリーピースバンドという言葉もあるくらい、バンドの構成要素として欠かせないものです。しかしながら民クルの編成にはドラムがありません! ではどうやってリズムを奏でるのでしょう? そこでキーワードになってくるのがラテン音楽。民クルのリズムはラテン音楽でよく使用されているコンガ、ボンゴ、ティンバレスなどが使われているんです。

「ラテンのリズムを取り入れたビッグバンドスタイルになったのが2016年。それまで色々と試行錯誤しました。普通のアレンジだとどうしてもうまくいかない。そこで、大好きだったワールドミュージックやラテン音楽と組み合わせてみたらどうだろうとなった。そうしたら結構ハマって、いい感じだぞとなったんです。」

パーティー音楽としての民謡を目指して

民謡の消費のされ方は時代によって変わってきたと話す田中さん。

「民謡の歴史はだいぶ長いですよね。昔は畑仕事のときに民謡が歌われてきて、レコードが出てきたら録音物として民謡が吹き込まれて。レコードを売るために芸者さんに歌ってもらって、それが全国に広まっていった。元はワークソングだったものがポップスになっていくわけですよね。今は民謡を習うというとちょっと高尚なイメージを持つ人もいるかもしれないけど、大衆的なというか、パーティー音楽としての切り口で民謡をやれたらいいんじゃないかと思ったんです。」

民謡は個人的なメッセージよりも、その土地に住む人々が共通で持っていることを歌っているといいます。「山がきれい」「今年も豊作だ」など、多くの人が共有できるものしか歌ってないそう。

「海外のインタビューで、どんな内容が歌に込められているんですか?と聞かれることがあって。そういう時ボーカルのフレディさんは、歌詞にメッセージはないんだよと答えたりしていますね。さらにフレディさんが言うには、民謡というのは景色が思い浮かぶように歌うんだと。その土地の空気感とか景色が思い浮かぶように歌うのが、民謡だと言っていますね。」

民謡クルセイダーズの音楽を聴くと“懐かしくて新しい”という、不思議な感情になることがあります。民謡の“風景”とラテンのリズム=海外の土地の音楽が組み合わさっているから、どこか懐かしいのに初めて聞いたような新しさを感じられるんですね。

週きち独占?! 民クル田中さんの吉祥寺の思い出

田中さんに吉祥寺の思い出はありますか?と聞くと、なんと吉祥寺でお店をやっていたことがあると教えてくれました。「確か30代の頃だったかな? ハモニカ横丁でお店を開いていたことがあるんですよ」と田中さん。

「バンドと並行して今もデザイナーとして活動しているんですが、とある中古家具屋さんのウェブデザインを手伝っていたんですね。その流れで自分もお店をやってみよう!ってことで週末営業で1年間だけやっていました。その時に活動していたR&Bパーティバンド『Mo’Lets/モーレッツ』にあやかって、『モーレツ屋』って名前で(笑)。70年代の日本のインテリアや雑貨、ビンテージのバイクのヘルメットなんかをセレクトしてました。 全然儲からなかったですけどね(笑)」と笑いながら話してくれました。

インタビューでお邪魔した、田中さんのご自宅にはたくさんの不思議なインテリアが並んでいます。お店を開いていた当時のこだわりが今も感じられます!

田中さんの自宅「バナナハウス」のインテリア。見たことのないものばかりで興味しんしん!

「ハウスに移り住んだムック本や雑誌でインテリア特集が流行っていました。バナナハウスは住んで25年になるんですが、インテリアの雑誌に取材されたこともあるんですよ」と当時を懐かしんでいました。

さらに吉祥寺のエピソードを聞くと、吉祥寺のライブハウス「WARP」横のクラブに出入りしていた頃もあったそうです。60年代のR&Bやブリティッシュロックをかけるイベントで出会った人とロックバンドをやったこともあるとか。

「吉祥寺には住んでなかったけど、R&Bとかスカとかルーツ音楽が盛り上がっていた中央線のシーンでよく遊んでいましたね」と田中さん。吉祥寺の貴重なエピソード聞くことができました!

どこに行っても盛り上げる!民謡クルセイダーズのライブ!

今年2024年の6月にはデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、オランダの欧州ツアーを成功させた民謡クルセイダーズ。聞きに来るお客さんのタイプは様々だそうです。

「どこの国へ行ってもいろんな人種の人がいて、それぞれノリが違うのがおもしろいですよね。年齢も幅広くて入り混じってる。サルサダンスを踊ってる人もいるし、メタル系っぽい人がめちゃくちゃ頭を振って聴いている人がいたりと、本当に色々です」と教えてくれました。

今回の武蔵野市民文化会館でのライブについて聞くと「文字だけのフライヤーが名物らしいですよね(笑)。市民文化会館という場所なので、民クルのことをそんなに知らない人やテレビで最近知ってくれた人も来てくれそう。海外のお客さんとはまた全然違うノリになるので、どうなるのか楽しみです」と笑顔で話してくれました。

民謡好きのおじいちゃんおばあちゃん、ワールドミュージックが好きなコアなファン、テレビを見てきてくれた親子連れなど、民謡クルセイダーズのライブのお客さんはまさに老若男女。

「民クルのライブはいろんな層や世代を飛び越えて楽しんでもらえると思います!」と、ライブへの期待が高まる話を聞かせてもらえました。

武蔵野市民文化会館でのワンマンライブのチケットはすでに完売とのことです。当日行く方は民謡クルセイダーズの繰り広げるパーティーを思う存分楽しんでくださいね! そして民謡クルセイダーズの音楽を聴いたことのない方は、この機会にぜひぜひチェックしてみてください!

民謡クルセイダーズ プロフィール

民謡クルセイダーズ

  • 開催日
    2024年8月4日(日)
    時間
    16:00〜
  • 料金など
    全席指定 一般2,800円 友の会2,500円 25歳以下1,000円(予定枚数終了) 対象:小学生以上 ※車椅子席は電話及び窓口でのみ販売
    会場

    武蔵野市民文化会館 大ホール

    〒180-0006 東京都武蔵野市中町3丁目9−11

  • 出演
    民謡クルセイダーズ ゲスト:俚謡山脈(DJ)
  • 主催
    [主催](公財)武蔵野文化生涯学習事業団

かつて戦後間もない頃、偉大なる先達…東京キューバンボーイズやノーチェクバーナが大志を抱き試みた日本民謡とラテンリズムの融合を21世紀に再び再生させる、民謡クルセイダーズ/Minyo Crusaders! 東京西部、米軍横田基地のある街『福生』在住のギタリスト田中克海と民謡歌手フレディ塚本を中心に2011年ミュージシャンが集まった。 終戦以降米兵の居住エリアだった基地周辺に今もなお点在している築70年の米軍ハウスの一棟、通称「バナナハウス」をスタジオとしてセッションをスタート。 クンビア、ビギン、ブーガルー、カリプソ、アフロ、ルンバ、レゲエ、モーラムなど様々なダンスミュージックと、失われた音楽『日本民謡』との化学反応を試みつづけたバンドは、数回のメンバーチェンジを行いながら、1st Album『Echoes of Japan』を完成させ、国内外から高い評価を得ると共に「民謡」の存在を世界に知らしめた。
民謡クルセイダーズ ウェブサイト(外部リンク)