前進座 舞台のいろは
前進座 舞台のいろは「あき(秋)のこない、ゆかた姿」
1931年に創立した前進座は、東京都武蔵野市を本拠とする日本の歌舞伎も上演する劇団です。
歴史ある劇団から舞台の裏側を学べるコラム「前進座 舞台のいろは」では、舞台まわりの小道具の紹介や知られざる役者さんのあれこれをご紹介します。
あき(秋)のこない、ゆかた姿
汗を流すことが多い時代劇の稽古には、こまめに洗うことの出来るゆかたがベスト。前進座の俳優たちの多くは、一年中ゆかた姿で稽古します。藍地に白模様、白地に藍模様が役者好み。今風のカラフルゆかたは、緊張感あふれる稽古場で浮く可能性があるので要注意です(笑)。 ちょっと買い物に行く時もゆかた姿。夏はよいのですが、秋風が吹くと少々困ります。キリリと着こなせる先輩たちは羽織など着て絵になる立ち姿ですが、稽古でへとへとになった新人は、「病院から逃げてきた人」に見えがちです(笑)。そんな新人も舞台を重ねる中で着物姿が板についてきます。和服に惹かれつつ最初の一歩を踏み出せない方!ゆかたからスタートがオススメです。
執筆 女優 高柳育子