吉祥寺村立雑学大学

2098回(2021/10/30)雑大レポート 「中国、台湾武力統一の可能性」

====== 本記事は、雑学大学に参加された方によるレポート記事です ======

今年5月、アメリカのインド太平洋司令官が議会でショッキングな証言をした。「今中国が台湾に侵攻したら、数時間で中国に台湾周辺の制海・空権を握られ、アメリカは為す術もなく台湾を失う」と。

最近、米中日首脳の台湾海峡をめぐる駆け引きが激しさを増している。かき回し役、菅前総理が3月の日米首脳会談、5月のG7サミットで、「台湾海峡の緊迫を訴え、アメリカ・G7首脳の台湾海峡の安定に関心をもつ」との言質を得たと得意げに胸を張る。7月、中国共産党創立100周年式典で、習総書記は「台湾統一」を宣言;「台湾統一は共産党の責務であり、必ず成し遂げる、教師面した外圧を許さない」とやり返す。

1.軍事バランス

多くの日本人は軍事バランス上では米軍が圧倒的優位で、米軍の傘がある限り、中国は台湾への武力侵攻はできないと思っている。しかしながら、今年3月、米軍インド太平洋最高幹部二名が、議会で証言;「台湾有事は6年以内に発生する。有事が勃発すれば数時間以内に、台湾周辺の制空・海権が中国に握られ、アメリカ話すすべもなく台湾を失う・・・・」と。「アメリカ軍から先制攻撃ができない。台湾有事は、地域限定線であるから、議会の承認に時間を要し、沖縄・グアムの米軍は開栓後、時間をおかず機能不全に陥る」とも。

2.中国のスタンス

台湾に武力侵攻すれば、住民の重大な犠牲は避けられない。それを強行すれば、台湾住民の激しい怒りを買い、その後50年、100年も統治する上での深刻な障害となる。中国は米国からの介入を恐れるからでなく、台湾の人々の怒りが見えるから、武力侵攻は採らない。蔡英文総統はアメリカに頼っても台湾を守れないことは十分理解しており、現状維持が最も良い姿勢であり、静かにし、中国に言質を与えない。

3.日本政府首脳の扇動言動

一部の台湾親派を自認する日本政財界人の間で「台湾は中国領土の一部」との認識の見直しを求める声がある。7月、麻生副総理は「中国が台湾に侵攻すれば自衛隊による集団的自衛権の限定的な行使もありうる」と発言。 また、「台湾は中国の一部」に公然と異論を唱える国会議員もいる。日中共同声明には「台湾が中国の領土の不可分の一部であることを、日本政府は十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基づく立場を堅持する」とあるが。台湾親派の議員は、「十分理解し、尊重する」との表現を捉えて、「台湾は中国の一部」という中国側の主張を日本は「全面的に認めたわけではない」と強弁し、「ポツダム宣言」の字句を無視している。ポツダム宣言には;「カイロ宣言で台湾・澎湖諸島は中国固有の領土であり、日本はこれを盗取したもので、中国へ返還させるとの条項を日本に履行させる」と明記してある。

4.台湾人は本当に親日か?

日本統治時代、台湾でも抗日運動・弾圧事件は多数発生しており、強制労働問題や慰安婦問題なども存在し、台湾の人々はこれらを決して忘れているわけではない。その後の国民党の圧政があまりにひどく、また近親憎悪から、国民党を激しく憎んだもので、日本統治時代をよしとしたものではない。

完(文責:塩崎 哲也)

講師:塩崎 哲也 氏