30年以上藍とともに歩んだ軌跡。「澤本礼子展」がリベストギャラリー創で開催

藍を使った服や小物を30年以上作り続けている澤本礼子さんの個展「澤本礼子展」が4月6日(水)までリベストギャラリー創にて開催されています。澤本さんがデザインした服の数々に加えて、トートバッグやコースター、草履までその種類はとっても豊富! 春にぴったりな藍染の魅力をご紹介します!

澤本さんは「アトリエ澤」にて藍を使って作品作りに取り組まれている作家さん。東京を中心に仙台や奈良など多数全国の主要百貨店に作品を出展しています。作家活動を始めたのは1986年で、活動当初の藍染は「職人さんが作るもの」で反物のように直線的な布という固定観念が強かったんだそうです。そこで澤本さんが自身の作品づくりに掲げたモットーが「布のたわむれ」。このモットーには、藍染の固定観念に縛られず「たわむれ」のように作品作りを続けていきたいという思いが込められています。

ギャラリーには所狭しと作品が並べられています

リベストギャラリー創での個展は今回が記念すべき10回目。澤本さんとリベストギャラリー創との出会いをうかがうと、個展を開く画廊を吉祥寺で探していたけれど良い場所がみつけられず諦めかけた時、信号待ちで止まった車の中から見つけるという偶然があったと教えてくれました。外から見やすい大きな窓や、明るいギャラリーの雰囲気に惹かれ、それ以来リベストギャラリー創で個展を開催し続けています。

糸を染めて布に織って作った服は縞模様やパターンがきれいに揃っています
こちらは布を染めたもの。同じものがひとつとしてない、オリジナリティをもった作品です

澤本さんの作品には、糸を染めて布に織って作るものと、布を藍で染めて作るものの二種類があります。日常でおしゃれを楽しみつつ楽に着る事ができるデザインにこだわっていて、背中側の布がゆったりとなるようにされているんだとか。素材は見た目以上に柔らかく、とても着心地が良さそうな質感でした。

服は女性向けのデザインが多いですが、男性向けにもジャケットなどがあります。こちらのジャケットは襟を折って着ることもできますが、澤本さんは襟を立てているほうが好きなんだそうです。インディゴのジャケットはフォーマルすぎずカジュアルすぎず、気軽に着られるのが嬉しいですよね。布も柔らかで着心地も抜群です!

澤本さんが一番お気に入りの作品はこちら。藍の濃淡やパターンが個性的な作品です。サッと羽織ってお出かけしちゃいたくなりますね! どんな色にも合いそうで、おしゃれの幅をぐっと広げてくれそうです。

他にも、澤本さんは服作りの過程でできた端切れを使って小物も作っています。コースターや髪飾り、わらじ、バッグなど、その種類は本当に様々。デザインもシンプルなものから柄物、凹凸のある表面が楽しい作品まであります。

そんな小物の中で澤本さんが一押しなのがこちら。このコロナ禍に制作したもので澤本さん自身よく使っているものなんだそうです。これ、なんだかわかりますか?

正解は、「ペーパータオル入れ」なんです!澤本さんはこのコロナ禍で濡れた手を拭いたりアルコール消毒に使ったりしたい時、使い捨てできるペーパータオルを使うことが増えたんだそうです。そんなペーパータオルを外に持ち出しやすいように生まれたのがこの「ペーパータオル入れ」。大きさもちょうどよく、藍染の風味が素敵で利便性もある……。三拍子そろった便利グッズですね!

文字通り藍染でいっぱいの今回の個展は、春めいた吉祥寺をもっとおしゃれに楽しむことができるアイテムが目白押しでした。30年以上藍染とともに歩まれてきた澤本礼子さんによる、日常を楽しく彩るインディゴの服や小物たち。澤本さんの藍染を身に着けて、桜満開の井の頭公園を散策してみてはいかがでしょうか?