吉祥寺村立雑学大学
2103回(2021/12/4)雑大レポート源氏物語「宇治十帖の女達 その三」
====== 本記事は、雑学大学に参加された方によるレポート記事です ======
悲しみの里にも春は訪れた。山の僧「あざゃり」から蕨などが届けられた。姉「大君」を失った「中の君」の悲しみは面やせする程であった。悲しみに沈む「中の君」に薫は細やかな心くばりを示した。
二条院に移った「中の君」に匂宮の愛情はこまやかである。後見人としてその幸運を願う薫はそれを喜びつつも一方では複雑にゆれ動く心を禁じえない。花盛りのころ、薫は二条院を訪れ「中の君」とも対面した。匂の宮は我が妻と薫との親しさに不安を感じる。「中の宮」には、そのような二人の心々がわずらわしいのである。
(文責:藤井悦子)