オープン10年の東北物産館が新しい支援活動。コロナ禍の困窮に支援の手を!

東北を支援するアンテナショップ「東北物産館」では、新たにコロナ禍で苦しむ人々への支援が始まっています。
今年でオープンから10年を迎える東北物産館の新しい支援活動について、東北物産館の理事店長を務める島本孝枝さんにお話を伺いました。

東北物産館の店内。美味しいものでいっぱいです

コロナ禍に苦しむ人へ支援の手を

東北物産館は、2011年の東日本大震災後、福島県出身で株式会社リベスト代表理事の荒井伸吉さんが「何かお役に立てることがないか」という想いから被災地を継続的に支援するために誕生したアンテナショップです。東北地方の物産を産地より直接仕入れて販売することで物流を生み、その物流から雇用の安定に貢献することを目指しています。

そんな東北物産館が新たに始めたのが、コロナ禍で生活が苦しくなってしまった家庭や留学生への支援です。 武蔵野市の子ども食堂へ、キャンディーやグミなどのお菓子とふりかけ・炊き込みご飯のような家庭で食べられるものなどを月に1〜2回、無償で提供しています。さらに、福島の農協と直接交渉をしてお米と野菜を何十キロも支援先に送る手配するなど、子どもたちが空腹で悲しい思いをしないように支援の手を差し伸べています。

棚に並ぶ缶詰は、どれも絶品。東北にいくと買い求める人も多いハズ

また、子ども食堂で子どもに勉強を教えていた亜細亜大学の留学生も同じように生活が苦しくなっていると知り、レトルト食品や缶詰などを提供する生活支援を始めました。留学生の代表の方が東北物産館を訪れた際には、「みんなが喜んでくれたらそれでいいから」と広い心で食料の提供しているそうです。店舗で子ども食堂や留学生の代表の方と直接やり取りをしている島本さんは、支援を受けた子ども食堂や留学生たちの心から嬉しそうな様子が印象に残っているといいます。

「コロナ禍で炊き出しなどは難しいので、お菓子やレトルトといった簡単に召し上がっていただけるものを差し上げています。大変な世の中ですから、ジュース一本にしてもお菓子1個にしても嬉しいんじゃないかなって思っています」。

東日本大震災で被災し、7人の家族を失った千葉清英さんが作ったふりかけ「のりコエタロウ」

荒井さんが「コロナ禍で経済的に苦しくなってしまった家庭への支援が行われている」という報道を見たことがきっかけというこの支援。実はコロナ禍で苦しむ人たちへの支援に留まらず、東北への支援にもつながっているといいます。お店の商品を提供すると提供した分の発注をかけることになるため、そこで物流が生まれ「物流から東北を支援する」という東北物産館の理念にもつながっています。コロナ禍の中で生まれるまとまった発注に、東北の生産者の方からも感謝の声が届いているそうです。

東北物産館では、この支援が軌道に乗るようにしばらく継続していく予定です。

店内にはサービス品も。おいしい缶詰をお得に購入できます

東北物産館発、広がる東北支援の輪

そんな支援を始めた東北物産館を支援する動きも広がっています。
東北物産館オープン10年という節目の今、色々な企業から「応援させてほしい」という連絡や発注が多く寄せられているんです。100個単位のまとまった数の発注が10種類〜12種類もかかることもあり、島本さんはとてもありがたいと話してくれました。取材に訪れた際も企業から応援の発注が届いており、今も東北への支援の手が差し伸べられているのを感じます。

また、東北物産館では東北の元気を取り戻す活動を支援するための賛助会員を募集しています。賛助会員になると、口数に応じて東北の名産品が郵送され、家にいながら東北の美味しい食を楽しむことができます。賛助会員の年会費は一口3,000円から。店頭・メール・専用フォームのいずれかから申し込むことができます。賛助会員として東北物産館、ひいては東北のために支援を届けることができるんです。
なお、東北物産館は電話注文にも対応しています。島本さんはこんな状況だからこそ、配送サービスなども活用してほしいと話してくれました。

「Webページの商品一覧を見て発注いただくことでも随分成り立ちます。コロナが落ち着いたらおいでいただければ嬉しいです。このようなご時世ですから、郵送などいろいろな方法を取りながらしのいでいけたらと思います」。

お話を聞かせてくれた島本孝枝さん。おすすめの金華さばの味噌煮の缶詰の他にも、ほたてのみそ汁はどちらも絶品です!