【インタビュー】スーパーでは滅多に買えない、おいしすぎる武蔵野野菜の育ての親!農家さんに聞く武蔵野野菜徹底解剖の旅【前編】

2月某日、ある衝撃的な言葉を耳にしたのは、吉祥寺の老舗である塚田水産さんに新作洋風おでんの取材に伺った時でした。

塚田水産社長「武蔵野野菜がとっても美味しくて、にんじんとか信じられないくらい甘いんですよ!」

(↑武蔵野おでんに関する記事はこちらから!2023年2月15日〜4月2日)

にんじんが甘い????

これは確かめねばと、実際に店頭で購入し武蔵野おでんにして食べてみると、確かにとっても甘くて美味しい!!

野菜嫌いの家族もばくばく食べ、あっという間に完食。

どうして武蔵野野菜はこんなに美味しいのか。

もっと武蔵野野菜のことを知りたい……。

ならば……

取材をするしかない!

今回お話を聞かせてくれたのは、武蔵野市で農家を営む後藤さんとJAむさし東京の高清水さん!

農家の後藤さん。武蔵野野菜に関する様々なことをやさしく教えてくれました!

前後編の2回に分けて、知られざる武蔵野野菜の魅力をお伝えします!

武蔵野野菜はどこで作られているのか

さて、皆さん。

武蔵野野菜の魅力をお伝えする前に、そもそも武蔵野野菜とはどこで作られた野菜を指すのでしょうか?

正解は、武蔵野市で作られた野菜です!

武蔵野市と言われてピンとこない方も、吉祥寺といえば思い当たるところがあるのではないでしょうか?魅力的なおしゃれなカフェや、自然いっぱいの井の頭公園、大学に本屋に映画館など、なんでもある街“吉祥寺”には畑もあるんです!

後藤さんの畑。取材に伺った時はちょうど植え替え期で、次の野菜に向けて苗や種芋の準備をされていました!

ネギの苗。最近は苗を買う農家さんも多いと言いますが、後藤さんの所では自らの手で育てています!

こちらはじゃがいもの種芋!黒色の部分は腐っているのではなく、じゃがいもの成分で黒くなっているんだとか!

これらが成長し5月ごろになると、徐々に収穫が始まります!

武蔵野野菜は、とってもレア!?

そんな武蔵野市の名を冠した武蔵野野菜は、実はとってもレアな存在

なぜなら、正真正銘の武蔵野野菜は武蔵野市の農協か、農家さんが不定期でやっている直売所でしか買うことができないんです!

三鷹駅北口から徒歩8分のところにある、武蔵野市の農協直売所

JA東京むさし 武蔵野新鮮館

  • 営業時間
    10:00~16:00
    定休日
    なし 休業日は3月・9月の最終平日、年末年始(12月31日~1月6日)
  • 電話
    住所

    東京都武蔵野市西久保1-18-10

    JR三鷹駅 北口 徒歩8分

店頭では 武蔵野市で採れた野菜や特産品なども販売しています!

これらの場所以外では、武蔵野市の学校給食などでしか食べられません。

スーパーでは、武蔵野台地で採れた野菜が武蔵野野菜として販売されていることも!?

これは、武蔵野野菜の需要が高く、出荷数を上回っているからこそ起きていること!

あれ?けれど私たちは塚田水産さんで武蔵野野菜を購入したような……?

その理由は、ズバリ武蔵野市主導で行っているプロジェクト『CO+LAB MUSASHINO(コラボむさしの)』にありました!

地元の農家と飲食店をつなぐCO+LAB MUSASHINO(コラボむさしの)で地元の野菜を食べよう!

CO+LAB MUSASHINO(コラボむさしの)とは、昨年から始まった武蔵野市の事業者同士をつなぐプロジェクト!

CO+LAB MUSASHINO(コラボむさしの) は、市内の事業者同士の連携を創出・促進して、新しい商品や事業を開発するきっかけをつくるためのプラットフォーム。

名前のCO にはCompany(会社・企業)とCo(共同の/共通の/相互)の意味が、LAB にはLaboratory(実験室)でのチャレンジやワクワクする気持ちが表現されています。

異なる分野の人同士が協力して、多くの人の心を動かすような新しいものを武蔵野市でつないで、育み、生み出す、そんな動きが始まっています。

コラボ武蔵野公式HP( https://co-lab-musashino.com/about/ )

そして、その初回テーマが「食と農の美味しい出会い!」なんです!

武蔵野市の農家と飲食店の出会いを作り、お祭りの際などに、武蔵野野菜を一回だけ使うのではなく継続的に使ってもらえるようなシステム作りを目指しています!その過程でお互いのことを知ってもらうために、農家さんとレストラン事業者との交流会・意見交換会や、畑に来てもらい、とりたての野菜を見てもらったり収穫の大変さなどを業者と農家さんで共有したりしています!

取材時に農家見学会と同じように、食べさせていただいた生にんじん!採れたての人参は密度が高く、とても甘かったです!

人参の季節もそろそろ終わり!後藤さんによるとこの列が最後の一列なんだそうです!

第1回目となる昨年は20の飲食店らが参加し、オリジナルメニューを作ったり、武蔵野野菜をメニューに取り入れたりしました!

参加農家や事業者はコラボむさしののホームページで確認できます!

使っている武蔵野野菜の量はお店によって違いますが、その中でも特に熱心に活動を行われているのが塚田水産さん!

創業77年を誇るさつま揚げ専門店である塚田水産さんでは、武蔵野野菜を使った期間限定のさつま揚げや武蔵野野菜を使った武蔵野おでんのたねを販売しています!

農家の後藤さんによると、吉祥寺で知らないものはいない塚田水産さんとのコラボの反響は大きく、店頭に掲示された顔写真を見て連絡があることも多いんだとか!

塚田水産店頭で販売されている武蔵野野菜!農協が農家さんの顔写真を提供することで、飲食店が武蔵野野菜の存在を消費者に伝えていく取り組みも行われています!

塚田水産さんをはじめとして、地元の事業者さんが地元の武蔵野野菜を使ってくれることが嬉しいと後藤さんは語ります。

旬だから美味しい!旬だから大変!?

しかし、飲食店に野菜を卸すにあたって一筋縄ではいかないことも。それは、旬!

育てた野菜が出荷できるのは、12ヶ月のうち数ヶ月だけ。

塚田水産さんの武蔵野おでんも、最初おでんに合う野菜を探したところ、すでに「大根」などの野菜の旬が過ぎており、代わりに農協から提案された「菜花」「ほうれん草」「ブロッコリー」「かぶ」「にんじん」「長ネギ」「子持ち高菜」といった野菜たちがポトフの野菜に近いところから着想を得て始まったものでした。

流通が発達し旬じゃなくても野菜が食べられるようになったからこそ、最初は「なんで一年中武蔵野野菜を使えないの?」という飲食店さんも多いそうです。

それでもコラボに参加されている飲食店さんは、地元の武蔵野野菜を使いたいと考えている事業者さんたちばかり!

そして、通年の提供はできなくても、旬に食べるからこそ美味しい野菜を食べることができるのです。

また、地元で収穫されているため、大体収穫24時間以内に野菜がお店に届けられるといいます!それゆえ、私たちが手に取ったり、食べたりする武蔵野野菜はどれも新鮮なものばかり!地方から発送される野菜に比べ、格段にみずみずしい野菜を食べることができるのです!

取材中収穫現場をみさせてもらった、収穫したての野菜たち

今年行われる第2回では、昨年の20店舗を上回るさらに多くの飲食店が参加予定!

ぜひ武蔵野野菜を食べに、ホームページ等を確認し対象の飲食店に行ってみてはいかがでしょうか?

さて、武蔵野野菜を食べたくなってきたところで後半へとバトンを繋ぎます!

後半では武蔵野野菜を実際に手に取ることのできる農協や、武蔵野野菜のレシピなど武蔵野野菜の魅力を徹底解剖!

近日公開予定なのでこちらも要チェックです!