三鷹市の病児保育が、オンラインで予約できるようになるよ!

急な子どもの発熱!でも今日は会社を休めない・・・!子どもが病気になったときに、お母さんやお父さんが会社を休んで看病をするの、すごく大変ですよね。そんな人のための制度が「病児保育」。病気の子ども(病み上がりで、まだ保育園が預かってくれない子どもを含む)を預かってくれるこども家庭庁(旧来は厚生労働省)の制度です。

そして三鷹市では2023年10月2日(月曜日)午前9時から、病児保育のオンライン予約ができるようになります!

あずかるこちゃん | 病児保育ネット予約のポータルサービス

さらっと書くと当たり前のことが実現したように感じますが、大ニュースです。なぜならば、これまでは利用に行き着くまでに、たくさんのハードルがあったから!初見の体感は、ほぼ利用不可能!内閣府の調査でも全国の病児保育施設の利用率は約30%に留まっています。

病児保育予約サービス「あずかるこちゃん」を提供する株式会社グッドバトンの代表、園田正樹さんは、元々は産婦人科医。働くママに話を聞くと「子どもの急な病気」に困っていたといいます。
「同僚には申し訳ないと感じ、大切なプレゼンの日に、なんで熱を出すの?と苦しんでいました。そんな保護者の強いミカタが『病児保育』。でも、使いづらく、みんな知らない! スマホから空き状況がわかり、予約ができれば.....。あずかるこちゃんによって、三鷹市に住む子育て中の保護者の負担が減り、笑顔が増えることを願っています」。

では元々の病児保育は、どんなところが使いにくかったのか。一緒に追体験していきましょう!(知ってる!という方は記事後半へ!)

病児保育、どんなところが使いづらかったの?

辛さその1:紙の記入がつらい、制度が分かりにくい

病児保育は、ホテルや一時保育みたいに、いきなり利用できるわけではないんです。実は病児保育の利用にあたっては「事前に市区町村への登録が必要」です。三鷹市の場合は予防接種の接種状況や、これまでにかかったことがある感染症等の情報も記入し、市に届け出を行い、利用者カードを受け取って初めて利用が可能な状態になるのです。

  • 三鷹市病児保育事業利用登録申込書(様式第1号)
  • 三鷹市病児保育事業児童票(様式第2号)
質問票を見た時点で(必要とわかりつつも)めまいがしてきます。

また、実際に子どもが病気になって利用をするときも「病児保育利用申請書」と「病状保育連絡票」を毎日記入する必要がありました(子どもの名前から始まり、毎回です)。病状は日々変化するので、一定の情報を病児保育施設と共有するのは大事なのは分かるけど、ただでさえ仕事に影響が出て、子どもにも付きっきりで歯を食いしばっているときに、ボールペンを握るのはやはり辛い!

辛さその2:電話予約が争奪戦

さらに、利用にあたっては電話で予約をしなければなりません。開室時間に、利用したい人の電話が殺到するわけです。いつまでかけてもつながらない・・・!病児保育が使えないなら会社にも連絡をしなきゃいけないのに方針が決められない・・・!

状況によっては「お医者さんで診断結果が出たらまた電話してください」が待っています。施設によっては「この医療機関を受診してね」と決まっているので、再度受診になることも。振り出しに戻る感がやばい・・・。どうしろというんだ・・・。

でもこれは、施設の人たちにとっても大きな負担です。利用できるかどうかでハラハラしている保護者の方に、電話をかけ続けなければならないってことですからね。

辛さその3:予約したからって使えるわけじゃない

病児保育室のスペースや、対応できるスタッフさんの数には限りがあります。預かる子が麻疹(はしか)にかかっていたら、その日は他の病気の子どもを預かることができません(感染しちゃうからですね)。

各施設では、なるべく多くの子どもを預かることができるように部屋割やスタッフのシフト調整をしているのですが、それでも「預かれるか預かれないかはその日次第」なのです。これが病児保育をさらに複雑にしている要因!(でもこれは仕方がない!)

オンライン予約、何がすごいの?

今回、三鷹市では、病児保育のオンライン予約管理システム「あずかるこちゃん」を導入。これにより、これまで説明してきた多くの「辛さ」が解消されます。すごいぞ三鷹市!既に「あずかるこちゃん」を導入している「あきやまルーム」さんで見てみましょう。

利用までの流れがわかりやすい!

三鷹市のサイトをみてー、病児保育施設のサイトをみて、とあっちに行ったりこっちに行ったりしていた人、多いのでは?時系列順に何をすればいいのか、シンプルに書かれていて分かりやすい!

今日・明日、使えそうか分かる!

こんな感じで、市内2施設の病児保育施設で、空き状況がリアルタイムに見える化されます。施設の詳細ページを開けば

  • どんな雰囲気なのか
  • 持ち物は何を持っていけばいいのか
  • 対応できない病気はなにか

などが分かりやすく整理されていて安心です。また、キャンセル待ちも見える化されます。「自分で看病できるなら、自分で看たい」「両親がきてくれることになった」など、意外とキャンセルも多いのが病児保育。システム化されることで、電話連絡ではなくメールやLINEに「利用可能になりましたよ」とお知らせが届きますよ。

時間を気にせずスマートフォンから申込み!

いつでも病児保育施設の開室時間を気にせず、予約(申込み)とキャンセルも行えます。また、これまで事前に記入・提出しなければならなかった紙の登録用紙の代わりに、スマートフォンであずかるこちゃんから登録が可能になります。

つまりこれまで、何度も何度も何度も何度も書かなければならなかった情報が、必要最小限で済むようになりました。保育士さんや看護師さんに伝えたいことを、きちんと書いて伝える時間を、仕事の隙間に確保しやすくなります。

利用にあたってのまとめ

オンライン予約開始後の流れをまとめると、こんな感じです。

  • すべての手続がオンライン化されます(従来通り、紙でも手続き自体はできます ※)。
  • 紙でもらう必要があるのは、医療機関受診時にもらう医師連絡票のみ。

※:利用料区分確認申請は紙での申請が必要です。

まだ病児保育を使ったことがない人

  • あずかるこちゃんでアカウントを作る(三鷹市への紙の登録は不要になります)
    親のアカウントをひとつ作れば、複数の子どもに対応しています。
  • 子どもの情報を「あずかるこちゃん」に登録しておく。
  • 使いたい施設に、子どもの情報を事前に(病気になっていないときでも、いざ使う時に備えて)登録しておきましょう。
  • 子どもが病気になったら:
    • あずかるこちゃんから利用予約。施設によって締切時刻が異なります
    • 病院に受診。医師連絡票(診断表など、表現は様々)を受け取ります。どこの病院を受診すべきかは施設によって指定があることもあるので注意!
    • 利用できることが確定したら、施設から連絡通知が届きます。
  • 利用開始時刻までに子どもを送り届けます。

あきやまルームで「あずかるこちゃん」を普段使っている人

  • そのまま使えます。新しくアカウントを作る必要もなし!
  • 新しく子どもを追加したいときは、そのまま「あずかるこちゃん」上での追加でOK。
  • ポピンズルーム杏林さんも使いたいときは「あずかるこちゃん」上で、ポピンズルーム杏林さんへの子どもの登録をしてください。

ポピンズルーム杏林さんを普段使っている人

  • あずかるこちゃんでアカウントを作る(三鷹市への紙の登録は不要になります)。
    親のアカウントをひとつ作れば、複数の子どもに対応しています。
  • 子どもの情報を「あずかるこちゃん」に登録しておく。
  • 「あずかるこちゃん」上で、ポピンズルーム杏林さんに子どもの情報を事前に(病気になっていないときでも、いざ使う時に備えて)登録しておきましょう。
  • 子どもが病気になったら:
    • あずかるこちゃんから利用予約。施設によって締切時刻が異なります
    • 病院に受診。医師連絡票(診断表など、表現は様々)を受け取ります。どこの病院を受診すべきかは施設によって指定があることもあるので注意!
    • 利用できることが確定したら、施設から連絡通知が届きます。
  • 利用開始時刻までに子どもを送り届けます。

子どもが病気になったときに看病が負担になっていた皆さん、病児保育を上手に使っていきましょうね!

参考

病児保育利用率に関するデータ/内閣府「病児保育事業について」(平成26年1月24日発表)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/h260124/pdf/s5-6.pdf

病児保育の登録や予約がオンライン上でできるようになります(三鷹市子ども政策部 子ども育成課
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_news/104/104488.html