吉祥寺の映画文化を盛り上げたい!カフェ&ワインバル「ANGELIKA(アンジェリカ)」

2022年12月にオープンしたカフェ&ワインバルの「ANGELIKA(アンジェリカ)」。中道通り近くに位置する、こだわりのコーヒーやワイン、名物のエッグタルトなどを提供するカフェ店です。入り口の階段に貼られたパネルを見ると「映画情報をご提供しています」と書かれています。そう!アンジェリカは“映画にまつわる愉しみ”をテーマにしたカフェなんです! 今回、主にカフェでのメニューを担当している小森さん、現在も映画関連の仕事をしているという髙田さんの両オーナーにお話を聞きました。アンジェリカの“映画愛”にまつわる特集をお届けします!

アンジェリカ命名の由来はニューヨークのミニシアター。吉祥寺と映画人に愛される店を目指して

階段を上った2階に位置するアンジェリカ。店内にはおしゃれなウォールアートが描かれ、素敵な雰囲気が広がっています。入り口左手のラックには映画のチラシが並べられており、まるで映画館に併設されたカフェのようです。公開中の最新映画のチラシを中心に設置するこだわりっぷり! オーナー自ら、吉祥寺の映画館である吉祥寺オデヲンやアップリンク吉祥寺で上映されている映画を中心にチョイスしているとのことです。通常のカフェとはひと味ちがった取り組みに興味しんしん! アンジェリカのお店の成り立ちについて、髙田さんから詳しくお話をうかがいました。

「アンジェリカは私ともう1人のオーナーである、小森さんと共同で経営しています。小森さんと私は元々一緒に映画関連会社で働いていた同僚です。彼女はワインのソムリエの資格を持っており、コーヒーにもこだわりがありました。そして映画にまつわる場所をつくることを考えていたので、一緒にカフェを経営することになったんです。映画をテーマにしたカフェなら、自分も役立てることがあるのではと思ったんですよね。」

カフェの構想段階からアンジェリカのコンセプトである、“映画にまつわるカフェ”はすでにできあがっていたんですね! アンジェリカの名前の由来について聞いたところ、映画愛を感じるエピソードを教えてくれました。

店内に掲げられた〈ANGELIKA FILM CENTER〉の写真。髙田さんはこの映画館で『パルプ・フィクション(1994年 クエンティン・タランティーノ監督作)』を観たそうです!

「店名はニューヨーク・ソーホーにある映画館〈ANGELIKA FILM CENTER(アンジェリカ・フィルム・センター)〉から取りました。私自身、実際にこの映画館で映画を観たことがあり、とても思い入れのある映画館です。上映ラインナップが素晴らしく、ニューヨーカーから愛されている街の映画館です。映画館は写真の建物の地下にあるんですよ。ニューヨーカーに愛されるANGELIKA FILM CENTERのように、私たちのお店も吉祥寺の街で愛されるといいなと思い、名付けました。店名は2人で決めたんですが、すんなり決まりました(笑)」と笑顔で教えてくれました。

カフェ激戦区の吉祥寺でカフェを経営することは、とてもチャレンジングだと髙田さんは語ります。しかし「カフェをオープンする場所として吉祥寺以外は考えられなかった」とも話します。吉祥寺でカフェを開いた理由を詳しく聞いてみると、吉祥寺の映画文化を盛り上げたいというアンジェリカの“夢”について教えてくれました。

吉祥寺の映画文化を盛り上げたい!アンジェリカが開く映画にまつわるイベント

毎月入れ替えているというアンジェリカ店内に飾られた映画のチラシ。チラシは髙田さんのコレクション!

「吉祥寺には複数の映画館がありますよね。さらに吉祥寺周辺には多くの大学があります。吉祥寺の映画館も交えてなにかイベントができないか、若い世代にも映画館で映画を観る楽しみを伝えられないかということは、アンジェリカ立ち上げ当初から考えていたことでした」と髙田さん。

アンジェリカがオープンした当初、吉祥寺には「吉祥寺オデヲン」「アップリンク吉祥寺」「吉祥寺プラザ」の3館の映画館がありました。吉祥寺プラザは2024年1月31日に惜しまれつつ閉館し、2024年現在、吉祥寺には「吉祥寺オデヲン」「アップリンク吉祥寺」の2館の映画館があります。かつては「吉祥寺ピカデリー」「吉祥寺バウスシアター」などの映画館も存在し、吉祥寺は映画の街と言っても過言ではありませんでした。吉祥寺の街で映画にまつわるカフェを開くことは必然だったのかもしれませんね。

「吉祥寺プラザが閉館したときには支配人の方を呼んでトークイベントを行いました。『吉祥寺プラザ支配人の“想い出の映画9作品”』と題してチラシを展示したり、吉祥寺プラザで使用された貴重なポスターを展示させてもらいました。ほかにも、映画監督の小林啓一監督と成蹊大学の映画研究部の方たちを交えた座談会を開催しました。今後もアンジェリカでイベントをどんどん行っていきたいと思っています!」と意欲を語ってくれました。

近年は動画配信サービスが人気で、映画館に行く人が減っていると心配する声も聞かれます。そんな中、アンジェリカでは若い人にも映画館で観る喜びを伝えたい、映画を観た後に気軽に感想を言い合う場を提供したいとの思いから、イベント開催を積極的に行っています。吉祥寺の映画文化を盛り上げたいというアンジェリカの思いに心打たれました!

週刊きちじょうじでも、以前吉祥寺プラザを特集しました

アンジェリカこだわりのエッグタルト!コーヒーはオリジナルブレンドの沖縄焙煎コーヒー

アンジェリカの魅力はもちろん映画イベントだけに留まりません! アンジェリカの名物スイーツは「エッグタルト」。サクサクのパイ生地に濃厚なカスタードが絶品で、コーヒーとの相性もばっちり。卵の風味がしっかり感じられて、こんなにおいしいエッグタルトははじめてです! アンジェリカで提供されるエッグタルトは、映画『哀れなるものたち』で登場した、ポルトガル式のエッグタルトなんです。エッグタルトについて小森さんにお話をうかがいました。

「以前、香港やマカオによく行っていたとき、街でエッグタルトを見かけてすっかりハマったんです(笑)。マカオはかつてポルトガル領だったので、ポルトガル式のエッグタルトが売られていました。ポルトガル語ではエッグタルトを「パステル・デ・ナタ」と呼びます。現地で食べた味が忘れられなくて、メニューに入れることにしました。毎朝焼き立てをつくっています!」と話します。カフェをオープンする当初から、エッグタルトをアンジェリカのメニューに加える予定だったそうです。

続けて、「コーヒーにもこだわっています。縁あって、沖縄で焙煎士として活躍しているHumming Coffee(ハミングコーヒー)の末吉業人さんにアンジェリカをイメージしたオリジナルブレンドを作っていただきました。どんなシーンでも合う、毎日飲んでもおいしいコーヒーです!」と教えてくれました。実際に飲んでみると、キリッとした味わいのある中深煎りのコーヒーで、一息つきたいときにぴったりです。夏にはアイスコーヒーもおすすめですよ!

アンジェリカではワインやビールといったお酒も提供しています。ソムリエの資格を持っている小森さんセレクトのワインが取り揃えられています。毎週金曜日は21:30まで営業しており、「毎週金曜夜は 映画を語りあおう!」と題した映画にまつわるおしゃべり会も開催。映画について気軽に感想を交わせる場になっています。

髙田さんは「映画を観て、アンジェリカでコーヒーやワインを片手に映画を語り合う。そんな場所にアンジェリカを選んでもらえたら嬉しいです。店内での映画上映会も今後やっていきたいです!」とさらなる意欲を話してくれました。吉祥寺の映画文化を盛り上げたい、映画を観る喜びを伝えたいというアンジェリカの取り組み。今後も楽しみにしたいと思います!

カフェ&ワインバルANGELIKAのシナリオ講座 映画はみどりの森のなか~映像を読み取るための脚本術~

  • 開催日
    2024年7月11日(木)
    時間
    19:00〜20:00受講(18:30開場)
  • 料金など
    料金:各回1,500円(+1ドリンク以上オーダー)※学割あり、要問い合わせ 定員:10名(先着順)
    お問い合わせ
    会場

    ANGELIKA(アンジェリカ)

    〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町4-6-3 MOON RIVER BLDG 2F

  • 出演
    講師:小林弘利氏(脚本家・小説家) 〈小林弘利氏プロフィール〉 多くの映画、テレビドラマの脚本を手掛け小説家としても活躍。代表作に『L change the WorLd』、『ブタがいた教室』、『劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』、『青すぎる、青』、「ウルトラマン」シリーズなど。
    プログラム
    第1回「アリスについて」「森について」「砂漠について」 第2回「赤について」「青について」 第3回「JCについて」 第4回「月について」「雨について」 第5回「神話について」 第6回『マッドマックス』を読み取る:「女神について」 第7回「橋について」「渦巻き模様について」 第8回『フォレスト・ガンプ』を読み取る:フィナーレ
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