きち散歩

きち散歩

吉祥寺のおいしいものと散歩が大好きなわたなべえりさんによるコラムです。えりさんのすてきなイラストと共にお楽しみください。

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きち散歩(6)井の頭自然文化園 動物園編

東京都井の頭自然文化園 動物園(本園)

俵屋の米粉クッキー、今回の記事の内容をまとめたイラスト入りのノートが写っている。

遠足とお散歩と動物たちと。

吉祥寺駅といって一番最初に思い浮かぶのはきっと井の頭公園。そしたら二番目は?
私の中では井の頭自然文化園、通称「井の頭動物園」です。一番最初の井の頭動物園の思い出は、きっとそれよりも前にもちろん来ているんだけれど久我山幼稚園の園児だった頃に遠足で来た時の記憶。その時はまだ存命だった象のはな子を見て、象って本当にこんなに大きかったんだ!なんてことを思ったのを覚えています。

井の頭動物園では真ん中に大きな放牧場があって、その周りにいろんな動物がいる、みたいな作りになっています。
一番最初に会えるメンフクロウはなぜか行くたびにすやすやと寝ていてあんまり目を開けているところに会ったことはないんだけれど、いつも来たよーという気持ちでのぞいています。そして大人気モルモットは今日はちょっとだけ見て癒されて、ペンギンのところへ。今回はお家の中でこちらを伺っていました。
ヤギやヤマアラシ、カモシカやヤクシカたちがゆったりしていたりご飯を食べているところを眺めつつ、オオコウモリに会いに行きます。コウモリは翼のつやっとしたレザーみたいな感じと、モッフモフの身体の感じがとても好きなのでいつも長居して眺めてしまいます。何度見ても不思議な見た目でとても可愛い。お手々の鋭利な感じもキュートですね。

コウモリをひとしきり堪能した後は日本のふかふかの生き物たちのゾーンへ。キツネやムササビ、タヌキにアナグマ、テンやハクビシンなのですが、大体半分くらい会えないのはご愛嬌。裏にいるのか見つけられていないのか、いまだに真相は不明です。人気のフェネックとヤマネコはいつ行っても人がいて、きっと常連さんなんだろうなあって人もいて、ちょっとこちらもほっこり。ヤマネコは中をとことこ走り回っていてとっても楽しそう。やっぱり猫なんだなあという動きも見られて、イエネコとの違いを探してみたり。

そしてお猿さんの住処を通り越して、一番奥にあるのがリスの小径。週刊きちじょうじの表紙のリスくんもかくやというまるまるしたリスが見られたり、逆にシュッとしていてあっという間に走って行ってしまうリスがいたり。リスにも個性があるのかもしれません。通り抜け型のケージなので、本当に真横をさっとリスが通り抜けて行くのは一度行くと癖になってしまうかも。もしリスとエンカウントできなくても何度でも入れるから、ちょっと別のところに行ってからまた戻ってきて再チャレンジ。愛くるしい姿を見られるはずです。

井の頭自然文化園の本園の方の全体地図、記事中に出てくる動物たちが描かれたイラスト。

大人も遠足気分。

1番奥まで歩いたら、ちょっと戻ってはな子カフェでご飯。ぞうさん弁当をいただきます。ぞうさん弁当はその名前の通り、ぞうさんの見た目をしたいわゆるデコ弁当の仲間のようなお弁当です。
大人も子どもも大好きな、チキンライスにオムレツ、肉団子。ここまでは洋風だな!と思いきや、ぞうさんを作り上げるのは椎茸と赤しそふりかけご飯。でもこれが意外とあう、そして優しいお味なのです。子ども向けな見た目をしているけれど、大人もしっかり美味しい。他の東京都の動物園ではコアラやパンダのお弁当があるとか。
やっぱり井の頭は象なんだなあ。はな子の住んでいたスペースのゾウ舎は、はな子の記録が展示されています。はな子がいなくなってからもうすぐ10年経つけれど、みんなの心の中には生きているのかな。ちょっと前からの吉祥寺を知っている人が食べると、なんとなくセンチメンタルな気分になるお弁当かもしれません。

食べ終わったら見られなかった動物たちをぐるっとめぐって正門へ。正門の前の「こもれび」でコーヒーを買って一息つきながら、来る途中で買ってきた俵屋さんの米粉のぞうさんクッキーをいただきます。いのかしら、とぞうさんの形のクッキーに刻印されたちょっとお茶目なお菓子です。
お口に入れるとさくさくほろり、でもパサパサしていたり粉っぽいわけでもなく口溶けはまろやか。きっと家で食べるなら濃く淹れた緑茶と食べたい、そんなクッキーです。
俵屋さんは本紙でも特集をしていましたが、本当に和菓子も洋菓子も美味しいんです。その中でもやっぱり動物園で食べるなら、ぞうさんクッキー! 売店の「こもれび」ではぞうさんとりすさんが描かれたカップでコーヒーが提供されるので、いのかしらといえばぞうさんとりすさん!はこれからもずっとそうなのかな、なんて思いながら閉園時間までゆったりするのでした。

井の頭自然文化園のぞうさん弁当、俵屋さんの米粉のぞうさんクッキーが描かれたイラスト。下部には象のはな子が愛されていたことに言及するオオカミのキャラクターとおすすめ3ポイントが描かれている。

井の頭自然文化園

  • 営業時間
    開園時間 9:30~17:00
    定休日
    月曜日(月曜日が国民の祝日や振替休日、都民の日の場合は、その翌日が休園日)/年末年始(12月29日から翌年1月1日) ※一部の月曜日を開園することがあります。 ご来園前に必ず井の頭自然文化園のWebサイトでカレンダーをお確かめください。
    予算/価格帯
    一般 400円(年パス1,600円) 中学生 150円 65歳以上 200円(年パス800円)
  • 電話
    0422-46-1100 井の頭自然文化園管理係
    住所

    〒180-0005 武蔵野市御殿山1-17-6

    JR中央線・総武線、京王井の頭線、各線の「吉祥寺駅」南口(公園口)から徒歩約10分