『日本の原風景99』出版記念写真展

『日本の原風景99』(近藤正文 著・写真)の出版を記念し、吉祥寺の街々書林ギャラリーで写真展が開催されます。日本各地に刻まれた暮らしの風景は、厳しい自然や社会条件の中で培われた知恵と工夫の結晶です。本展では、そんな原風景の魅力を写真を通じて紹介します。

日本の国土は、北海道から沖縄まで凡そ3000㎞に広がります。そこには、人々の生業が営々と刻み込まれ、暮しの風景が発現されてきました。それは、地上に描いた“人間の落書き”だったかも知れません。

それらは、厳しい自然条件やさまざまな社会条件の下で、自らの生活を賭けた大真面目なものです。その密度の高い原風景に出会うと思わず感動します。

景観10年、風景100年、風土1000年ともいわれます。原風景は100年以上にわたる知恵と工夫の結晶といえるでしょう。どうして、このような原風景ができたのでしょうか。ある偶然に、次なる必然が織り重なり合いながら、生まれ育まれてきました。

このたび、「日本の原風景99」の上梓に際し、ささやかな出版記念写真展を開かせていただきました。あなたの原風景を加えて100にしてみませんか。

近藤正文 プロフィール

1946年岡山県生まれ。京都大学工学部卒、同大学院修了。一級建築士。すまいづくりやまちづくりの仕事を進める上で、日本、ヨーロッパ、東南アジアの町を数多く訪ねる。


『日本の原風景99』について

幾世代もの人々の暮らしと営みが、さまざまな自然と時の流れに対峙し、知恵を働かせ、工夫をめぐらし、創り出し培ってきた―それが原風景。カメラと地図を手に、北海道から沖縄まで歩くこと半世紀余り。99の原風景が内包する自然と歴史の必然と偶然、人々の生の息吹を、撮り、書き記した書。


内容

  • 小樽―運河の残照(北海道)
  • 黒石―こみせの温もり(青森県)
  • 村田―紅花商人の在郷町(宮城県)
  • 酒田―山居倉庫が語る(山形県)
  • 栃木―河岸に連なる蔵屋敷(栃木県)
  • 川越―小江戸の店蔵(埼玉県)
  • 佐原―利根川東遷の申し子(千葉県)
  • 出雲崎―切妻妻入の連なる家並(新潟県)
  • 長町-文化香る武家屋敷(石川県)
  • 奈良井-峠下の宿場町(長野県)
  • 伊根-舟屋と暮らす(京都府)
  • 鞆の浦-屈指の古湊(広島県)
  • 内子-木蝋の街(愛媛県)
  • 臼杵-宗麟の夢の跡(大分県)
  • 竹富島-赤瓦屋根の集落(沖縄県) ほか